自由な正義を【ONE PIECE】 (ページ41)

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ﾋﾞﾋﾞ「砂漠の国に生まれ、自然と戦いながら必死で生きてきた人々の生活をめちゃくちゃにして...なぜ、アイツにそんなことをする権利があるの...なぜ...！」

ビビの悲しみが痛いほど伝わってくる。

ﾋﾞﾋﾞ「その一方で王下七武海の一人として民衆の英雄を気取っている。あの男が国を欺いていることにだれも気付いていないのよ…！！」

クロコダイルがこの国で海賊を狩り、民衆から受け入れられていることは知っていた。

しかし、その裏でやっていたことは国盗り。

ﾋﾞﾋﾞ「私は！！あの男を許さない！！！」

町の塔が崩れ落ちる。

ｿﾞﾛ「ったくガキだなてめェら」

ルフィとサンジ、ウソップが暴れていた。

その間に私とエースが穴を掘り、ビビと一緒に遺体を埋める。少し盛り上がった所に枝をさし、簡単だが墓を作った。

ﾙﾌｨ「ビビ！！さっさと先へ進もう。うずうずしてきた」

ﾅﾐ「行きましょう、ユバへ」

ｿﾞﾛ「そこに反乱軍がいるんだったな」

ﾋﾞﾋﾞ「ええ、反乱をやめるようリーダーを説得するわ」

ｿﾞﾛ「説得？」

ﾋﾞﾋﾞ「アラバスタの災いは全てクロコダイルが作り出したもの。真実を話して無駄な血が流れるのを止めるのよ」

ビビがそう言い、一行はまたユバへ向けて歩き出した。

説得して反乱を止める。そんなビビの言葉に私はだれにも聞こえない程小さな声で『甘いな』と呟いた。

七武海というクソみたいな制度でクロコダイルを放置してきた私たち世界政府がとやかく言える立場ではないのは重々承知だ。

だが、それとこれとは話が違う。

反乱軍を止めれば無駄な血が流れる事はなくなるかもしれない。

しかし、反乱軍を止めてもきっと雨は降ってくれない。

災いを作り出したクロコダイルを叩く方が早く平穏が戻る。

それをこの国の王女様はわかっていない。

ここで私が言ってもただ野暮なだけだから、大人しく歩き出す。

きっと誰かが気づかせてくれる、そう思いながら。