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【優吾】
藤ヶ谷「あらら。まだ、ダメそうね」
黄「すんませ…」
目の前で、ゲホゲホ咳き込む樹。
救急車がつく頃には、酸素濃度もめっきり落ちてしまうほどに苦しそうだった、そんな久々の大きな発作。
簡単に治まるはずもなくて、一度治まっては、またしばらくすると止まらない咳き込み。
青「ﾊｧｯ…っ、ｺﾞﾎｯ…ﾊｧ､ｹﾎｯ…ｹﾞﾎｯ､っ」
藤ヶ谷「ごめんな〜、マスクつけるよ〜」
青「んっ…。ｹﾎｪﾎｯｹﾞﾎｯ、ｺﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…」
黄「大丈夫だって、心配すんな」
青「ぁ、にきっ…ｺﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…ﾋｩ…」
黄「はいよ、いるいる」
苦しそうな呼吸音に、なんとなく懐かしささえ覚える。
こんなの、懐かしむもんじゃねぇけど。
苦しく丸まった背中は、ゴツゴツとは粘っていて、またあまり食ってなかったんだろうと、子どもたちが自立したことの弊害を思ったり。
やっぱ、飯はみんなで食わねえとな…とか、見当違いなこと思ってんのは分かってんのよ。
藤ヶ谷「ま、数日は落ち着かないだろうな」
黄「だってよ」
こっちからすりゃ、ですよね…なんだけどさ。
これでも当の本人は、諦めがつかないんだから…何度目の正直までいったって、結局学ぶことなんてできないんだろうな。
もしくは…やっぱり…幼い頃から病気の自分=弱いと無意識に感じてしまうのは、昔から変わってないんだろう。
黄「なぁ、樹ー？」
青「っ…」
黄「あぁ、いいよ。喋んなくて。…俺の、独り言聞いて？お前さ…強すぎんのよ、色々。すげぇ、強え。だから…いんじゃね？たまには」
本当は、根っからの弟気質で甘えたな弟。
でも、人望に厚くて、頼り甲斐のあるクラスのど真ん中みたいなポジションは、いつしか樹を、要らぬ強さから抜け出せなくしていたんだと思う。
それに慣れたまま…若くして父になり、そのうち一人で2人の子ども育てて、会社まで動かして…。
そりゃ、抜け出せなくもなるか…強さから。
黄「甘えろよ、俺の前くらい。さっきみたく…“助けて”って言ってくれるくらいが、ちょうどいいんだよ。だって…お前、弟なんだから」
パパでも、社長でも、頼れるガキ大将の樹じゃなくていいんだよ。
俺の前では、いつまでも弟でいたらいい。
忘れんなら、何度だって俺がそうやって伝えやるからさ。
-Fin-
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かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
