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【阿部】
コホコホと、誰かの咳き込む音が耳に入る。
その昔なら、どっちの咳かなんてすぐに分かったものだけど、今はそのどちらの選択肢もうちにはいない。
と、するならば。
阿部「あれ？…ふっか、寝てるじゃん」
インフルエンザ明けのふっかの残り咳かと思ったけど、ふっかは余裕で夢の中。
とすると…。
阿部「まさか…」
優吾は体調悪そうじゃなかったし、残るは樹しかいない。
思ったその部屋の扉を開ければ、困り顔で樹の背中をさする優吾がいた。
でも、“なんだ、優吾いたんなら安心だね”なんて言える感じでもなさそう…。
黄「目、覚めちゃった？」
阿部「あ、いや…」
黄「…ちょっとね、しんどいって」
阿部「自己申告？」
黄「んー…呼吸重たいし、さっきそこにあった薬、普段より強いのだと思うんだよね。ずっと自覚あったっぽい」
相当苦しいのか、何度も上下する樹の背中。
眠れてはいないんだろうけど、かといって俺たちの会話に耳を傾ける余裕もないなんて…もう、限界は超えてるんだろう。
青「…ﾊｧｯ、ｹﾎｹﾎｯ、ｹﾎｯ…ｾﾞｪｯ、ｾﾞﾎｯ、ｹﾞﾎｹﾞﾎｹﾞﾎｯ…ｺﾎｯ」
黄「っと、体起こすよ」
青「ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ､ﾋｭｩ…ｾﾞｪｯ、ｹﾞﾎｯ…」
阿部「呼ぶ？救急車…」
青「ﾊｧｯ、いい…っ、ｹﾎｹﾎｯ…」
黄「良くねぇわ！阿部ちゃん、ここ頼んでいい？俺、救急車呼ぶ」
それだけ言うと、優吾はバタバタと部屋を出ていって…多分、病院行く準備してくれてるんだろう。
相当無理してたのか、体起こすのもしんどそうに布団に倒れ込み発作に耐える樹が、幼い頃の北斗やAに重なって、余計苦しい。
阿部「すぐ、病院行けるからね」
青「ﾊｧｯ…ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…ﾊｧｯ、ﾋｭｯ…ｾﾞﾎｯ、ｾﾞｪ…ｹﾞﾎｯ…っべ、べっ…」
阿部「…苦しいね」
ギュッと握られたその手の震えが、副作用じゃないことくらい、容易に想像がついた。
固く目を閉じ、苦しい呼吸に耐える樹の背中。
青「ﾊｧｯ、ﾋｭｩ…ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ、ｴﾎｯ…ｹﾞｯﾎｯ、ｺﾞﾎｯ…ﾋｭｩ、ｾﾞｪｯ、に、き…っ、ﾊｧｯ…」
黄「…大丈夫、ちゃんと良くなるから」
阿部「もうちょっと、辛抱ね…」
きっと数分だったんだろうけど…永遠に感じたのは、俺より、樹の方がよっぽど…。
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かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
