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【ジェシー】
一度は話すのをやめようと思った。
自分が、抱えてればいいことだから。
別に、誰にわかってもらえるわけじゃないと思うし、それなら話して苦しい思いをする方が、俺は避けたかった。
きっと、ここへ来る前の、北ちゃんやAたちと暮らす前の俺なら、そうやってずっと、自分と周りとの違いに向き合うことから、逃げてたんだと思う。
けど…気づけば、北ちゃんに少しずつ、この“違和感”を打ち明けていた。
気づかぬうちに、涙なんて流しながら。
黒「ジェシー…？」
赤「っ、ﾊｧｯ…ごめっ、ん…ごめん、泣くつもり…なかったん、だけど…っ」
ずっと、ただ事実を話していただけなのに、ふと一度流れたら、もう止められなかった。
薄暗い記憶が、蓋をしたはずのそれが、やっぱり…悲しくて、寂しくて…苦しかったんだと思う。
黒「俺…さ、わかんないけど…」
そんな前置きをして、北ちゃんは言った。
“今のジェシーは、もう過去のジェシーとは違うと思うよ”
そんな、優しい言葉を…ものすごくあったかい言葉を、俺の胸に残してくれた。
黒「こうやって、打ち明けてくれたことも。ジェシーはさっき、自分のこと…“下ばっかり見て、自分をマシだと思う最低なやつ”って言ったけど…俺ら、そんなふうに見られたって思ったことない」
赤「っ…」
黒「いつも、しんどい時…距離感バカなのかなって思うくらいにそばにいて、大丈夫だよって力くれて…そんなジェシーが、俺らのことダシに使って優越感得ようなんて、そんなわけない」
“変わっていいんだよ、ジェシー”
あぁ、もうダメだって…。
涙なんて止まんなくて、苦しくて仕方なくて。
グッと抱き寄せてくれた北ちゃんの肩口を濡らして、思いっきり泣いた。
今までの自分が、全部流れちゃえばいいなって。
黒「もしね？もし…優越感、とかじゃなくて…自分なんかより、病気と闘う俺らの方が…って思うなら、それも違うから」
赤「んっ…」
黒「病気だろうと、ジェシーみたいに一見健康そうだろうと、みんな同じ。血のつながりとか、そんなのもなんも関係ない。みんな、フラット。対等な、家族でしょう？人と比べなくて、いいんだよ」
ダディ、マミィ…見てる？
俺さ…新しい、家族…増えたんだ。
あの時みたいな家族に、なれてるかな…？
-Fin-
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かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
