よぉ暇人【レイクレ】 (ページ30)

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1人2人と鬼に見つかっていく中、俺らはまだコートがかかったハンガーラックに身を潜めていた。

「おめーらがそこにいるのはわかってんだぜぇえ〜！！？」

デスボイスで喋りながらどば師匠はメンバーをさがす。

俺を盾に小さく縮こまるAを見て声が出そうになったのはここだけの話。

しばらくして隠れ続けることを飽きたのか、俺の背中に文字を書き始めた。

おすらいす

おスライス？

おむらいす

あーオムライスね。

ちやはん

チャーハン？腹減ってんのか？

いえいく

いえいく？いえ、いく…

家行く？

___ガシャン！！

まさかすぎるタイミングでの夜のお誘いに驚き、手が滑ってハンガーラックを倒してしまった。

その音を聞きつけたどば師匠が近づいてくるのを他所に、Aの方を向く。

(なにやってんの！)

(だってお前が…っ)

「捕まえたーー！！」

言いかけたところで捕まってしまった。
小声とはいえAに話しかけたせいで、Aもあっさり捕まった。

「てっちゃんのせいで捕まったやん。」

そう拗ねるAに1発ゲンコツを食らわせ、

「さっきのはどういう意味なんかな？」

「…ただの冗談やし。びっくりするかな思って…」

口ではそう言っているが、冗談ではないことくらい顔を見ればわかる。

「ほんならしばらくお預けやな」

そう言うと、キッと下から睨みつけられる。

「素直になれば？てっちゃんとえっろいことしたいですぅ〜って笑」

「そんなこと言わへんし！！！！」

素直じゃないとこ、考えてることが顔に出ちゃうとこ

全部、愛おしくてたまらない。

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