よぉ暇人【レイクレ】 (ページ15)

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「う〜ん、、やっぱりなんか太った、、？」

鏡を見て1人つぶやく。
元々痩せすぎている訳でも太っている訳でもない程々な体型だと自分では思っていたが、改めて鏡の前に立ってみると少しだけふっくらしてきた様な気がする。

やだなぁ、今日からサラダだけにしようかな。
誤魔化すようにいつもはあまり着ないダボッとしている服を選んだ。

「おはようございまーす」

「おはよー」

スタジオに行くとテーブルの上には大量のチキンやハンバーガーが並ぶ。
すっかり忘れていたがそういえば今日はケンタッキー1万円企画の日だって言ってたな。

ダイエットを決意したその日からなんとも厳しい企画だが、こういう動画は女だからこそ頑張らないとぶりっ子してるだの叩かれたりする。

今日は家まで歩いて帰って、明日はオフだからジムに行こう。それで相殺してやろう。

ある程度朝の編集作業を終えてから1本目の動画の撮影に入る。1本目は数時間で終わり、休憩を挟んで大食い企画の撮影が始まった。

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撮影も終盤、なかなかきつくなってきてみんなの手が止まる。
ここが見せ場だと思い、無理やり胃に隙間を開けてチキンを口に頬張った。

「おぉいった！」

「いけんのかよ〜、、デブやん」

てっちゃんが言った。ドクン、と心臓が跳ねた。

「たしかになんか最近A太ったやんな？」

追い打ちをかけるようにどば師匠が言う。
デブ、という言葉が頭の中をぐるぐるかと駆け巡り、変な汗が出てくる。

あぁ、みんなから見てわたしはデブなんだ。
わたしは太っているんだ。
大人数から見られる立場の人間なのに。どうしよう。

どうしよう、とりあえずなにか答えなきゃ、
「…ハハ、女子に向かって言うことやないやろ！」

顔が引きつっているかもしれない。変なツッコミをしてしまったかもしれない。

それ以降食べ物は喉を通らず、撮影が終わるまでの記憶もあまりなかった。気がついたらぺろ愛が最後の一口を食べ終えたところだった。

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