よぉ暇人【レイクレ】 (ページ14)

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「A、アイス買いに行こか」

「！！！いく！！」

まるでこうやって慰められることをわかった上で、わざと拗ねていたんじゃないかと疑ってしまうほどの即答だった。まぁいいねんけど。

「ほないこ」

「やった！」

今日晴れてよかったなぁと他愛もない話をしながら海の家に向かって歩いていたはずだったが、
ふと声が聞こえなくなって後ろを歩いていたAがいないことに気がつく。

焦って周りを探すと、数メートル後方で座り込んでいるのを見つけた。走って駆け寄る。

「ちょ、どした。体調悪いんか？」

「たかちゃん！見て、綺麗な貝殻！」

どうやら砂に埋まっていた綺麗な貝殻を見つけて掘り起こしていたらしい。

「なんやねん、、なにかと思ったやん、、」

「へへ、ごめんね。そんな優しいたかちゃんにはこの綺麗な貝殻をあげます」

Aはたまーに俺の事をちゃん付けする。これが素なんだろうか、特別感があって俺は嫌いじゃない。

「いらんわ」

と言いながら甘々な俺は貝殻を受け取ってしまう。Aは満足そうに笑った。

振り回されてばかりでは悔しいし、仕返しのつもりで
もうはぐれんなよ、と立ち上がってAの手をとる。

Aは照れながらそっと俺の手を握り返した。

「あとさ、」

一言付け加える。

「水着、超似合ってるで。かわいいよ」

目を合わせて言うと、Aの顔は耳まで真っ赤に染まった。
どうやら真正面から褒められるのはいつまで経っても慣れないらしい。

俺らは動画の中では言い合いばっかだし、お互い悪口も言うけれど。

たまにはこういうのもいいやんな。

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