よぉ暇人【レイクレ】 (ページ1)

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午後1時、いつもより少し遅めの撮影が始まる。
遅くなった理由はもちろんメンバーの遅刻だ。
遅刻してもなんだかんだで1本のドッキリ動画にしてしまうのだからYouTuberっておいしい職業だよなぁ、なんて考える。

「よぉ暇人、どば師匠だ！」

「たかしだよ！」

「てっちゃんだ」

「ともやんです」

「Aでーす」

「耳くそ鼻くそぺろりんちょ、どうもぺろ愛男爵です」

今日の戦犯(遅刻)のどば師匠から始まる挨拶はいつもと違い少しだけテンションが上がっているように感じた。

「今日はね、いつも真ん中に座ってるAが珍しく端っこに座っているんですよねー」

「ええ、そうなんですよ。今日はわたしが司会やります」

なんとも衝撃の事実。メンバーもええー、と不安そうにしていますね。

「私たちLazyLieCrazy、結成して何年になりますか？はい、ぺろ愛」

「えー、3年ですね」

「レイクレが3年ってことは、わたしと過ごすようになって3年っていうことなんですよ。
3年も一緒にいればわたしのことなんて十分理解してますよね」

「当たり前やろ」

「というわけで今日の企画、
レイクレ3周年記念！Aのこと1番知ってるのは誰だ！A王〜！！！」

高らかに声を上げると、メンバーもワーワー盛り上げる。

「まぁ俺とAはもう10年目になるけどな」

「そうやねー、はやいね」

私とともやんの出会いは中学。それ以来ずっと仲がいい。
人生の中で半分以上こいつと関わってきた故に私の中ではほぼ家族のような存在になっている。

「3年も10年もそんな変わらんわ！Aのこと1番知ってるのは俺やねん！」

どば師匠が負けじと声を荒らげる。
だいぶ変わると思うけど。

「お前ら黙れや。Aのスリーサイズ知ってんのは俺だけやねん」

「教えたことないやろ笑」

知ったかぶりをするてっちゃんに肩パンを食らわせると、イタイ、とニヤニヤしていた。嬉しそうできもちわるかった。

「それではやっていきましょう」

「go for it！」

窓から雲ひとつない大阪の青空が見える。
今日の企画が始まった。