私の天使4

夢2 ページ22

ベッドに入って
もう何時間経つやろ…

全く寝れへん


外は雨みたいで
ザァザァ言ってる

うるさいから寝れへんわけじゃない


緊張してんのかな


この緊張は
明日の選考会のことなんか


それとも




章ちゃんのこと…？





時間を確認しようと携帯を見ると

『えっ、章ちゃん』

5分前に着信が入ってたみたい

音出さないよーにしてたから
気づかんかった


プルルルル…


(もしもーし)

『ごめん、電話気づかんかった』

(んーん、寝てると思たし
3コールくらいしかしてないねん)

『どうしたん？こんな夜中に』

(…ごめんな、明日あれやろ？
なんやっけ、スタメン決めるやつ。)

『あぁ、選考会』

(それそれ。がんばれー言おう思て。
帰り遅なったからメールにしよかなって
思てんけど、やっぱり言いたくて。)

覚えててくれたん


『、、、ありがとう』

(ふぁいとー！)





『・・・章ちゃん』

(ん？)

『私、こないだ夢の話したやろ？』

(うん)




『私の夢、ほんまはな。


章ちゃんがずっと、
私のことを覚えてくれてること』




(・・・え、)





『この先、章ちゃんが国民的アイドルな
存在になって、不動の地位に着いた時、
…ふと、私のこと思い出してくれたら
それだけで幸せやなって。』

(・・・・・)

『CDデビューしたとき、
大きいドームでライブしたとき、
紅白歌合戦に出場したとき、
…それぞれの嬉しい瞬間に
私のこと思い出して…ほしいな』

(A・・・？)

『・・・・・』


今はこんな、

こんな些細な夢さえも

叶いそうな気がしーひん


(A…)

『…それぐらい、章ちゃんが好きっ、、』



章ちゃんが

好き


それだけやのに


こんなに辛い
しんどい


それでも

出会わんかったらよかったなんて

絶対思えへん



アカン、泣ける



(…っ、、、)





ブチッ



電話、

切られた…



きっとあきれてるんやわ

こんな訳分からん
どーしよーもないこと言って


かけ直す勇気もない



『っ、、うぅっ…うぅ』




好きすぎるって
こんなにしんどいねんな

これ以上、こんな思いは
辛すぎる

もういい


もういいねん



頭の中、まっしろ

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す