私の天使4

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何万人に向かって笑顔振りまいてるんやけど

でも一瞬、こっち向いて
ニーッ
って笑ってくれて…


私の大きな夢



『曲は元気が出るSONGがいいな。
わわっっ・・・』

息が苦しいぐらいに
ギューって抱きしめられた

「…絶対叶えよ。それ、俺の夢にもさして」

『いいよ。2人の夢な』

「お互い…どんなに辛いことがあっても、
…何を犠牲にしても、っ、
夢、叶えよな。」

『…章ちゃん？』




この時は、

犠牲になるもの

が何かなんて
考えもしなかった






梅雨の季節

吹奏楽祭も終わり、次の大イベントは

吹奏楽コンクール

明日、いよいよコンクールメンバーの
選考合奏があるから

部内はいつも以上にピリついてる感じ



「山田先輩」

いつもの体育館横の練習場所に向かう途中、
声をかけられた

この渋めの声は

『…谷川くん』


話しかけられるのっ
めっちゃ久しぶりで
ビックリした

昨年の全国大会のあと、
先生のとこに懺悔に行ってから
全く話しかけられなかった

うわさであのパーカッションの
女の子とうまくいってる
とか聞いたけど

谷川「安田さんと
…どうなってるんですか？」

『どうなってるって？』

谷川「付き合ってるんですよね？」

『あぁ〜…』

付き合ってることあんまり言わんといてって
章ちゃんにお願いされてるから
ベラベラしゃべらん方がいいんかな

『いや、実はちょっと色々あって』

谷川「え！別れたんすか？！」

『・・・・・』

谷川「だからか・・・。」

『え、なんで…？』

「駅前でめっちゃキレイな人と歩いてんの
俺、見たんすよ」


『・・・・・・』

キレイな黒髪に
I高の制服やったって…

絶対野口さんやん

「めっちゃ楽しげでしたもん。
やっぱりそうやったんですね。」

『・・・・・』

「先輩、俺…」

『そんなことよりも。
明日選考会なんわかってる？
こんなとこでくっちゃべってんと
練習したら？』

谷川「…あ、はい。」

『あたし、谷川くんみたいに
余裕ないから練習さしてくれる？』

谷川「…すみません」



・・・・・


きっと、スタジオに行くとき
たまたま駅で一緒になったんやわ

うん、そうやわ

きっと




ヤバい…
泣きそ





泉「おつかれー！！！」

『っ、泉先輩！』


泉先輩がI高の制服を着て、
差し入れ持って来てくれた


泉「…なんかあった？」

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