そしてゼロになる 2【降谷零/安室透】

52.再会 ページ7

警察を待っていると、

先に着いたのはパトカーではなく乗用車だった。


…普通なのはまあ見てくれだけで、

乗ってきた人は意外な人達だったけど。



「お？安室じゃねーか。安原も…」


「毛利さん!?」

「蘭ちゃんに…コナンくんも、なんで…？」


「(っ…!?なんでバーボンとAさんがここに…!?)」


コナンくんは相当に驚いた顔をしている。…そこまで驚くのは、何故？


ていうか、毛利さんに呼び捨てされた…新鮮。


「僕らは旅行ですよ。

…毛利さんたちこそ、あ、もしかして事件を聞きつけてですか？」

「え、もしかして事件の第一発見者って…安室さんたちなの？」

「実はね…。


でも、長野の事件なのに、毛利さんたちが着くの早くないですか？」

「あーそれがな、お前らの見つけた死体、

一連の連続不審自 殺事件の新しいのかもしれねえんだよ。


それで、長野県警の奴らが…」




「毛利さんに捜査協力を依頼させていただいたんです。」


…毛利さんの言葉を引き継いだのは、凛とした女性の声。


ひどく懐かしくて、されど聞き慣れたあの声。


声の主は遅れて車から出てきた。


「…長野県警の上原です。こちらは大和警部。


あなた方が第一発見者の…」

「安室透です。職業は探偵で…毛利さんに弟子入りさせていただいてます。」


さりげなく零が私を背中に隠してくれてるお陰で、

まだ結衣達は私に気づかない。


…けれど、



「えっと…そちらは？」

「…彼女は…」


それに彼女らが気づかないわけがなかった。


零はなんとなく困ったようが誤魔化そうとしてくれるが、

私は諦めて前へ出た。



「…安原Aです。職業は…一応透…安室の探偵助手兼アルバイターですかね。」


「…え…」



貼り付けたような笑顔でそういった私に、

結衣は目を大きく見開いて小さく声を上げるばかりだった。

53.動揺と隠蔽→←51.嫌な予感が…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す