朔間零は｢元｣次男【あんスタ】【男主】 (ページ12)

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じゅういちページ12

「失礼します。」

短いノックのあと、入ってきたのは【紅月】、【２wink】、【UNDEAD】、【Switch】の面々。そう、ついに〖Eterno night〗の撮影日がやって来たのだ

「ふふ、そう緊張せずにリラックスしてくださいな。」

トップアイドルを前にガチガチに緊張していた幾人かは、麗月のこの言葉に肩の力をゆっくりと抜いた

「あ、そうだ。みんな、まだ時間はある？」

時雨の言葉に、ある。と答えると「お茶会、しようか。」と疑問形でありながらも、語尾には疑問符のついていないお茶会宣言がなされた

かちゃかちゃと先ほどから何かをいじっていた麗月が、ティーカップを準備し出したのを見て夢ノ咲のアイドルたちは、麗月がいじっていたのが茶器だということに気がつく
11人分のティーカップが楽屋の机におかれると、それだけで少し手狭に感じた
真っ先に手をつけたのは零。美しい色を出している紅茶の香りを楽しむように深く息を吸った後、口に含む

「...これは、アールグレイ。かの？」

「正解。相変わらず、紅茶の種類を当てるのが上手ですね。零」

「そうでもないぞい。あに、RUNAさんの淹れる紅茶は味がよく出ている。というだけじゃ」

元兄弟が話しているのを横目に、他のメンバーも紅茶を飲む。飲みなれている薫や敬人は、その香りの芳醇さと味に舌鼓を打ち、あまり飲みなれていないメンバーも「美味しい」と漏らしていた

その様子を見て、微笑んでいる男が一人

「どう？もう緊張はとれたかな？」

「！REITさん....うン。とれたと思うヨ」

一番近くにいる夏目にしか聞こえないような声で話す時雨。その声に返事を返した夏目の声は最初の緊張した様子は微塵も無かった

まぁ、元から夏目はそこまで緊張してはいなかったのだけれども。だからこそ時雨は夏目に声をかけたのだとも言える
ちなみに、【Eterno】の二人から見てダントツで緊張していたのがつむぎだ。時点で２winkの二人
零は、緊張はしていたが、トップアイドルにではなく四年ぶりに会う血縁の兄になので対象からは除外されていた。そこを加味すれば、ダントツで緊張していたのは零である。むしろ、今二人でちゃんと話せているのが奇跡だ。何せ、麗月も部屋のなかをずっと歩き回るくらいには久しぶりにちゃんと会う【弟】に緊張していたのだから

「あ、そうダ。REITさん...もウ、時雨さんでいいよネ？」

「構わないよ」

「この紅茶、何処のか教えてくれル？マミィのお土産にしたいかラ」

「任せて」