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手「 …帰ろう?」
「 …… 」
なんで?どうして答えてくれないの?
違うなら違うと言えばいい話なのに
どうして祐也くんがそんな顔をするの?
黙るなんて
…肯定するようなものじゃない
「 そんなのやだよ 」
手「 … 」
気付きたくなかったそれを
必死に遠ざけようとしていたのかもしれないけど
もう、
確信に変わってしまったから
隣でしゃがむ祐也くんを押し倒して
無理やりキスをした。
「 …んっ 」
初めは触れるだけして離れる。
こんな、まだ人も少し残っているビーチで
彼女が彼氏を押し倒してキスをするなど
冷たい目で見られるかもしれない。
手「 …A 」
「 嫌だって言ってるのっ 」
お願いされるような目で私を見るのが
腹立たしくて悲しくて
もう一度口付けてから
祐也くんの唇を割って舌を絡めこんだ。
少し肩が揺れたのを見ると
私からしたのが初めてだから驚いたのかな。
外でキスをされることさえ恥ずかしがってたぐらいだし。
「 …んんっ、」
静かなはずのこの場所で
私の小さな荒い息遣いが響いて
唇を離した途端
祐也くんの胸に沈みこんだ。
「 …っはぁ…っ 」
慣れてもいないもんだから、とにかく苦しい
ゆっくりと起き上がった祐也くんが
背中を優しく撫でてくれる。
…別れるぐらいなら優しくしないでほしいのに。
でも私は単純だから
どうせ冷たくされたらもっと悲しくなるの。
「 …祐也くんは私が嫌いになった?」
手「 違うよ 」
こういう時、自己嫌悪に陥って
私がダメだから。とかそういう考えにしかいかない
手「 Aのことは変わらず好き 」
その言葉を、少しでも聞けば和らぐから
でも
「 じゃあ…っ 」
手「 駄目 」
祐也くんの信念は何も変わらないみたいで。
ああもうほんとにダメなのかな、
提案してくれたこの旅行は
仲直り旅行なんてものじゃなく
お別れの旅行で
少しでも私が楽しめるようにと考えてくれた事。
昨日といい祐也くんの引っかかる言い方も
全て 紐解くようにわかり出すし
唯一理解できないことと言えば
この指に光る…指輪くらい。
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葵ゆき - 1つお願いが。まだまだ新米ですが小説が書こうと思います。で、少しこのお話に似てしまうと思うのですが、このお話の名前を小説に出していいか聞きに来ました。。 お返事待ってます。 (2019年4月6日 22時) (レス) id: 4e7532b7f3 (このIDを非表示/違反報告)
真子(プロフ) - きみえさん» きみえさん、コメント嬉しいです!ありがとうございます〜!!(≧▽≦) (2018年10月5日 22時) (レス) id: c5ebfa47eb (このIDを非表示/違反報告)
きみえ(プロフ) - 切ない、、、大好きな作品です!!続編楽しみにしています!!これからも応援してます! (2018年10月5日 22時) (レス) id: 07ca606d01 (このIDを非表示/違反報告)
真子(プロフ) - きたにかこやまさん» きたにかこやまさん、コメントありがとうございます。無事こちらは完結しましたが、まだまだ続くのでぜひ応援してくださると嬉しいです(^_^)! (2018年10月5日 21時) (レス) id: c5ebfa47eb (このIDを非表示/違反報告)
真子(プロフ) - ナナしさん» ナナしさん、何だか読まれてしまってコメントを返せずにいました。ごめんなさい。私的にこの小説はもっと続けたいので最後まで見守ってくれると有難いです。(^_^) (2018年10月5日 21時) (レス) id: c5ebfa47eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真子 | 作成日時:2018年8月13日 2時