殺し屋と解体屋の日常【Diner】

アリュメット。 ページ8

ボンベロが出した料理は絶品だった


子羊を主とした合い挽きパティ


その上からトロトロとチーズが流れバンズのヒールを覆う


その上に白身魚をミンチにし衣をつけて狐色に揚げたパティ



その上に具沢山のタルタルソースが掛かりクラウンが堂々と鎮座していた



それぞれの味が口の中で喧嘩せず手を取り合ってダンスをしているよう


私は何も言わず黙々と食べていた



その隣で涙を流しながら食事をとる柊





食事が一段落した後、スキンが来店した


店にに入るなり、私たち…いや柊の方を見る


しかし、ドアの音が気に入らないのか顔を顰めたままだ



ドアの音にいちいち気にしてる場合か


私は君の真っ黒な服装の方が気になるよ？


そのお陰で1番気づいて欲しい人に気づかれてないじゃないか


私はさっき磨いたナイフを抜いてクルクルと回しながら



頭の中で論争を繰り広げていた




柊｢ところで、同じ質問するけど

ボンベロとの関係は進展したの？｣


『ん？柊がツンデレで可愛いって？』


柊｢明らかに違うよ？｣



違ったのか…ならツンデレは何処にあるんだ


さっきも考えてたけど、ボンベロとの関係って何？




…食う食われる？


いやボンベロを食った覚えないから


『食わす食わされる関係！』


柊｢…澪の思考回路が見てみたい｣



既に柊の中ではボンベロと私の関係が解決したのだろうか


質問など忘れて、スキンの方をぼーっとみていた


暇になった私はボンベロの方、正しく言えばキッチンを見た



すると、さも分かっていたかのようにボンベロが出てきた


『酒』

ボ｢今お前の好物を作ってるんだが｣


『……む

自分で取りに行くもん』

ボ｢カナコ、ついていけ｣


カナコ



そうウェイトレスを呼んだボンベロを見て少しモヤモヤした

今までは○枚目とかだったのに


この子は名前なんだ






倉庫につくと特別に作らせた私の棚と冷蔵庫が見えた

綺麗な青の冷蔵庫をガっと開けた



そうすると後ろから声がかかった




カ｢詳しいんですね、ここに｣

『いや、特別に作らせたの

私の為の場所』


ウェイトレスは少し顔を曇らせたがいつもの顔に戻った



カ｢ボンベロとは仲がいいんですか｣


『今はね

昔は殺しあった中だよ』



ウェイトレスはまた顔を歪めた

それは恐怖というか疑いというかそんな感情が混じっていた


私はお気に入りのリキュールを数本手に取って、ウェイトレスと共にホールへと戻った

檸檬パンケーキ→←葡萄酒

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す