殺し屋と解体屋の日常【Diner】

餡蜜。 ページ48

澪side

イチャイチャしだした柊を横目に酒を持ち私はこう言い放つ


『リア充爆発しろ』



その後図っていたかのようにかかってきた電話


やはり忙しいな…解体屋


会話から無礼図だということはわかったが、仕事内容は言わないまま


お金を払って出ていってしまった


『あら、スキン可哀想に』

ス｢ああいう所がいいんだよ｣

『さっぱり分からない』



私は適当に混ぜたカクテルを一気に口の中に流し込んだ


私たち以外がいない食堂の中で私が息を吐く音が響く


ボ｢…柊帰ったんだな｣


厨房から出てきたボンベロが口を開いた


話は聞いていただろうが、ずっと厨房にこもっていたボンベロはレジの前に出された金を数える


『無礼図とかやな予感しかしない』

ス｢澪じゃないんだから上手くやるだろ柊は｣

ボ｢あいつには炎眉もいるだろ｣

『うわ……自分に好意寄せてるやつを…』


ボンベロはレジにお金をしまってポケットから葉巻を出した


ボ｢あんなの邪魔なだけだ｣

『でも師弟関係でしょ？』



また呆れたように紫煙を吐いたボンベロはゆっくりと口を開いた


ボ｢好きでもないやつに好意を寄せられても迷惑なだけだ

なんのメリットもない｣



ス｢…うわ｣

『炎眉ちゃん可哀想』


ボ｢どの口が言ってるんだ…｣



スキンとボンベロはほぼ同時にグラスに注がれた酒を飲んだ


その時



ダイナーの電話がなる



ボンベロが厨房に行きごちゃごちゃと話していた


ス｢ねぇ澪｣


なに？と首を傾げればスキンは続ける


ス｢ボンは澪にとってどんな存在？｣


『…友達

その中でも1番の殺し屋で、最高の料理人

私の憩いの場』


ス｢憩いの場｣



くすくすと笑うスキン


何がおかしいのか…と思いながら柊が言っていたあの言葉


思考回路が見てみたい…か



『ボンの料理を食べてから、どこのレストランでも満足出来なくなった


お酒もどこで飲んでも変わらないと思ってたのに

ここに来ると美味しくて


ボン…ダイナーはそういう憩いの場』


ス｢なるほどね｣


ふーんと座っていたカウンター席に頬杖を着いたスキンはさらに言葉を続ける


ス｢澪はボンのこと好き？｣

『うん好きだよ？』


ス｢そうじゃなくて、恋愛的な意味で｣


恋愛的……


柊とスキンみたいな？




分からない



今までそんな感情、抱くことがなかったのだから


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