殺し屋と解体屋の日常【Diner】

スフレ ページ44

ボンベロと澪の意外すぎる過去

復讐から彼女らは出会い

いまでは、互いになくてはならない存在となった

縁とは不思議だなと思った

隣でスフレを食べている先輩ともなにか繋がるものがあったのかな

ス「ちくしょう…まただ…！！」

先輩は苦虫をかみ潰したような顔で

口から物を吐き出す

『今度は何が入ってたんです？』

毎度毎度の事で私も慣れてきた

最初はボンベロに怒ったりもしたが、

いまじゃ当たり前になっている

むしろ、先輩はよく懲りずに食べるものだ

吐き出したものを確認する


ス「指輪…？」

『あ！ピンキーリングですねソレ』

キラキラと光る指輪

女性用の指輪をなぜボンベロが持っているのだろう

ス「いる？」

『いりませんよ！』

口から吐き出された物誰か欲しがるの！？
先輩はときどき天然だ

しかし、私はこのタイミングを待っていたんだ

実は昨日、ボンベロに作り方を教わり

作ってきたのだ

『それよりも、先輩！スフレ作ってみました』

ジャジャーンと効果音をつけ

取り出した

ス「澪が作った…の？」

『はい。味は期待しないでくださいよ』

先輩はスフレを一口含む

正直、全然ボンベロと味が違うんだけど

機関銃とかぶっ放すようなことしないよね？

『あの、レシピ通りの味では…』

言いかけた言葉が詰まった

なぜなら

先輩は泣いていたからだ

『あ…すみません！先輩…不味かったですよね！

ほんとうに…！！ごめんなさい…あの』

とりあえずスフレを下げよう

先輩が持っているスフレを取ろうとした

しかし、先輩は取ろうとした私の手を掴んだ


ス「うまいよ……柊の作ってくれたスフレは

とっても優しくて暖かい」

『じゃあ…なんで泣いて』

先輩は私に真剣に向き合った

私は少し恥ずかしくなり目をそらす

ス「柊が作ってくれたスフレは特別だから


君が好きだ柊。


いまやっとわかった」

私の視界は霞んだ

先輩の涙が伝染したように溢れた

先輩は笑っている

優しく頭を撫でる

つられて私も笑う

『私も先輩のこと…』

そこで、私は踏みとどまった

ハッと周囲を見渡せば

皆がこちらを凝視してみていた

澪「お、おめでとう」

その直後私はぶっ倒れた

穴があったら入りたい

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