殺し屋と解体屋の日常【Diner】

ペペロンチーノ。 ページ17

澪side

誰も喋らず静かになった部屋



当てにならない時計の針が動く音が響く




柊はその音に自分の時計をチラ見し席を立った



『まだ飲もうよー』



未成年の彼女を飲みに誘ってしまう私も私だが


しゃべり相手が居ないとつまらないのだ



柊｢そうしたいけど仕事が山づみなんだ｣


と言ってレジまで行ってしまった


少し残念だなと思いつつボンベロに渡された弱い酒を口に運んだ


ウェイトレスの声と少し高い声がわちゃわちゃと聞こえる


誰が来たんだかと見ようとすれば



先程会計に向かった柊が帰ってきた



どうしたんだろうと考えていたけれど、新しく来たお客さんの顔を見てハッキリした




私に抱きついたキッド


新しいウェイトレスがいるからかだいぶ子供地味だ

『おひさ、キッド』

キ｢おひさー｣



私に抱きついていたキッドはボンベロによって引き剥がされてしまった



同士よ………！


｢｢嫉妬とは見苦しいぞー｣｣


そうキッドと柊2人が声を合わせた


ボ｢2人とも出入り禁止だ｣



待った、待ったそれは困る


『まぁ…落ち着いて？』


そういえばボンベロはまた呆れたようにキッドを下ろす


柊｢野獣が野獣を手懐けた！？｣



目をこれでもかとひん剥きながら叫ぶ柊


どこが野獣だ


そう思った私はナイフを見せながら柊に殺害予告をした


柊｢ゴメンナサイ｣



彼女はそう言ってスキンの元に行ってしまった


ちっ…早くくっつけよ←


厨房にボンベロが戻っていく



『キッド、君も同罪だ』

キ｢そんな！！｣



5分近くの斬撃を易々と躱された私はナイフをしまった



帰ってきたボンベロはまたキッドを見ている



そんなにキッドと抱き合いたいのか



これは、どこかの腐った女子が飛び込んできそうなワード



『ボンベロが可哀想だから抱きついて』


キ｢罰ゲームか！？｣


『ボンベロが嫉妬してるって言ったの君じゃね？』


キ｢それは君n…むが！！｣


こっちから願い下げだと言ったボンベロはキッドの口を塞いで


新しい教授の元に行かせた



『じゃあなにに嫉妬してたって言うのさ』


ボ｢嫉妬なんかしてない｣


『ん？まさか！また2人に騙された！！』


ボ｢本当にバカだな｣



なっ！？


バカと言われればバカだが…


ボンベロに言われると現実を見せられたみたいで余計傷つく


『…むぅ』

ボ｢ほら、飲め｣



何が入っているのか分からないロックグラスに口をつけた

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