殺し屋と解体屋の日常【Diner】

抹茶のムース ページ16

チッ…チッ…チッ

と秒針が進む音に現実に戻された

『そろそろ仕事に戻らないと』

澪「まだ飲もうよー」

『そうしたいけど仕事が山積みなんだぁ…』

ブロウから頂いたオレンジジュースを一気に飲み干すと
私は立ち上がった

と同時にドアの開く音がした

今日は多いなと思いつつ会計を済ませようとしたとき

キ「こんばんわ！」

この場には似つかわしくない子供の声が

聞こえた。

いや、実際は子供ではないのだけれど


ボンベロ睨んでる

できれば気づかれずに此処を去りたい

『(ボンベロ早く来てぇぇ)』

そんな私の願いも虚しく

(タックル)ハグをしてきた

見つかった…最悪だ

キ「お姉ちゃん久しぶりー！」

カナコ同様胸に顔を埋めてきた

『ドチラサマデスカ』

キ「後で遊んでね！」

笑顔でそう告げたキッド

帰るなと言ってるのだろう

私は渋々澪のいる席に戻った

澪は不思議そうに首を傾げてたが

キッドの姿を見て納得した

キッドは私から離れると澪にも抱きついた

おまわりさん、コイツです。

子供な姿をいいことに

わいせつを繰り返してます

ボ「叩き出されたいのか、キッド」

襟首をボンベロに摑まれキッドと澪は引き離された

ボンベロの顔は不機嫌そうだった。

キ/柊『「嫉妬とは見苦しぞー」』

ボ「お前ら二人は出入り禁止だ」

澪「まあまあ落ちついて」

ドードーとボンベロを落ち着かせる

私はその光景を見て愕然とした

『野獣が野獣を手名付けた！？』

キ「ぶはっwww」

澪「刺されたいの？柊」

『ゴメンナサイ』

澪はとりあえずナイフをしまってくれた

ボンベロもウェイトレスに案内を頼んで

厨房に戻って行った

ス「楽しそうだな」

先輩は微笑ましい様子で

こちらを見てたようだ。

『先輩はスフレを待っているんですか？』

ス「あぁ。アイツの作るスフレは最高だ」

ほんとに嬉しそうに笑う

いまかいまかと待っている姿は子供みたいだった

先輩と一緒に仕事をしていたときも

いつもスフレを待っているときだけは子供ぽい

何年たっても変わらないんだな

"俺の作るスフレが一番好きだな"

『私がボンベロと同じスフレを作れるように

なれば、先輩は同じように食べてくれますか？』

私の作るものを一番と言ってくれるかな

ス「柊が作るスフレ…か。食べてみたいな」

先輩はいつもより嬉しそうだった

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