10.まだ ページ10
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脚立、総務に返しとくな。
そう言ったくれた大倉くんとエレベーターの前で別れると
「・・・その資料、オレが使うから」
待ってたのかな。
フロアの入り口のドアにもたれるようにして、ヤスくんが立ってた。
「急ぎだったの？ごめんね、遅くなっ・・・」
「こっち来て」
小柄だろうと優しそうだろと、ヤスくんだって男の人。
思いがけない力で私の腕をつかむと、誰もいないパーテーションで仕切られた狭い打ち合わせブースに押し込まれた。
「やっぱり大倉がええの？」
ほんの、一瞬。
でもちゃんと分かった。
ヤスくんが私を抱き寄せて
そっと、耳元に唇を寄せて
切ない声で大倉くんの名前を呟く。
「ヤスくん、あのね、」
「・・・ごめん。
まだ12日やないのに焦ってもうた」
そんなことを言ってするりと腕を離して、へへって笑ってぺこりと頭を下げるから。
何事もなかったみたいに私に背を向けるから。
そんなの悲しいから。
淡いブルーのシャツの背中に、そっと、指を伸ばした。
「・・・Aちゃん？」
「謝らないでよ。私・・・」
多分、もう隠しきれてない。
ヤスくんを見る目も、ヤスくんって呼ぶ声も。
背中に伸ばした指先も、私の全部がヤスくんを好きだと言ってる。
ねぇ、気付いて
ねぇ、届いてよ
振り向いたヤスくんはちょっとだけ困ったような顔をしてて。
「まだ、言わんといて」
「オレにも心の準備がいるし」
「ちゃんと、オレのこと好きになって欲しいから」
2月10日、水曜の16時。
でももう1回だけ、ってヤスくんの優しいハグ。
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あきら(プロフ) - ∞HINA∞さん» コメントありがとうございます(*^^*) バレンタインだったので甘く書いてみました〜。楽しんでもらえて良かったです♪ (2016年2月25日 17時) (
レス) id: e9c7617437 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます(*^^*) 緑担の書いた青くんですがキュンとしてもらえて良かったです♪ 色々と書いてるのでぜひまた遊びに来てくださいね。 (2016年2月25日 17時) (レス) id: e9c7617437 (このIDを非表示/違反報告)
∞HINA∞(プロフ) - どきどきと、きゅんきゅんが止まんないです！こんなバレンタインしてみたいです… (2016年2月25日 2時) (レス) id: 28a27e4cf6 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - ほんとにキュンキュンしました！できれば続きが見たいなぁ…なんて笑 他の小説も読んでみます！ (2016年2月23日 3時) (レス) id: 58750773e3 (このIDを非表示/違反報告)
むう(プロフ) - もうやばかったです(*^^*)♪子育てでバタバタしててすぐ見れなくてショックだったんですけど、まとめて一気に読み進められて大興奮でした(*^^*)甘々章ちゃんも大好きです！ありがとうございます☆ (2016年2月21日 6時) (レス) id: c1660ee04d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきら
| 作成日時：2016年2月12日 17時
