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『ゾムが、来おへん』
詩乃「………」
gr「もう少し待とう、暴れまわっているだけかもしれん」
『捕まっとったら手遅れになる』
ロボロがゾムに連絡してから
すでに何分か経っているが
一向に窓から飛び降りてくる様子はない
予想外だ
あのゾムが、捕まる？
ここまで騒がせたんだ
もし捕まってたら
何をされるか分からない
俺は反対を振り切って
研究所に乗り込もうとした
が、それは別の意味で防がれた
zm「A…！！」
突然聞こえたゾムの声に
正面入り口の方に駆け寄る
こちらに走ってきたゾムを
優しく、けれど力強く抱きしめた
良かった…帰ってきた
少し泣いたような跡の残る目は
再び瞳を揺らしている
kr「君がAくん？」
そのとき
感動の再会を邪魔するような知らない声が
釘をさすように聞こえた
しゃがんでいた俺は
ゾムを抱きしめたまま立ち上がり
声の主を見上げる
『…誰や、あんた』
変な仮面で顔を隠しているが
どことなく見覚えはある
それよりも背が高くて
威圧感で負けそうだ
負けるものかと
睨みつけるように見つめていると
ゾムが溜まった涙を拭って
話し出した
zm「この人、俺達を作った人や。くられ先生って言う」
『じゃあ、ここの科学者やな。何の用や、俺らを捕まえる気か』
kr「この子達を逃したのは私なのに、それを聞くのかぁ」
『なんで3人だけ残した。逃す気なら、全員逃せば良かったのに』
上手く話が噛み合わないのは
俺が一方的に怒りをぶつけているからだ
それでも男は逆上もせず
俺と会話する気のようだ
いや、時間潰しのために来たのかも
仲間が来る可能性もある
『あんたの目的はなんや』
自然とゾムを抱く腕に力が入る
渡す気は一ミリもないと言うように
男は肩をすくめて
ため息を漏らした
kr「私は当初、彼らのことをここの研究員に報告する気はなかった。完全に偶然生まれた子達だったし、何よりも悪用されたくはなかったからね」
『だから逃したのか？』
kr「まぁそうなんだけど…君の言ったように、私も全員逃す気だったさ。ただ、私のことを知っている子達がいて、他の子達のように逃すことができなかった。その子達が、あの3人さ」
『…どういうこと…』
kr「私は、あの子達が普通の人間だった頃を知ってるんだ」
そこで
やっと力んでいた腕が緩む
どうやら話す価値はあるみたいだ
.
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雪見大福(プロフ) - 泣きながら読みました！これからも無理せず頑張ってください！ (2021年3月19日 23時) (
レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - トマトジュースさん» ありがとうございます！！やっとですね…(号泣)頑張って更新させていただきます！ (2019年10月2日 11時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - 救出おめでとう(号泣)トン氏がついに心を開くのか……？あとなシッマ…察しちゃダメだ……。察した私も悪いが。えー、これからもですね、はい、更新頑張ってください。無理せず更新おねがいします。 (2019年10月2日 6時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - りつさん» ありがとうございます！！ (2019年8月7日 12時) (レス) id: e46d68e377 (このIDを非表示/違反報告)
りつ - めっちゃすきです！！続き楽しみにしてます！！！ (2019年8月6日 19時) (レス) id: a91baceb22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2019年4月7日 11時
