枯れた氷の華 ページ22
Aが、シャルイの腕の中で小さな寝息を立てた。
「────最後だ。」
「──A。Aはもう普通だよ。」
ヘイルとシャルイが眠っているAにそう言った。
「──は、A.......?」
レオナがそう呟いた。
「......そうだが?」
ヘイルが彼に冷たくそう言った。
彼らが驚くのも無理はない。
Aは幼くなっていた。
「Aは最後の転生をした。」
ヘイルは短くそう言った。
「転生って......。」
「Aは私たちの街の継承者なの。Aは間違えたからやり直した。でも、Aはもう転生は出来ない。........理由は分かるよね?さっきAが見せてくれたから。」
シャルイはAから目を離すことなくそう言った。
「......Aは、ボク達のことを忘れてしまったのかい?」
リドルがそう聞いた時だった。
「──今、何つった?」
リドルの胸ぐらをヘイルが掴んだ。
「Aがお前らを覚えている?何を言っているんだ。Aをここまで散々傷付けたくせに!!」
ヘイルの怒号に彼らは息を飲んだ。
「Aが転生するのは苦しかった証拠だ!!Aはこんなとこに来るはずじゃなかった!来る必要なんてなかった!!お前らと関わる必要なんてひとつもなかった!!
転生する必要性も皆無だった!
なのに!お前らのせいで!お前らがAと関わったせいで!!Aが壊れた!!」
ヘイルはリドルを突き放した。
そして、クロウリーの方を見た。
「──Aがああなったのに、今後にどんな影響があるか分かってんのか、ディア・クロウリー。」
「申し訳ありません......私の意識の低さが.....もっとAさんを見ておけばよかった....ッ....。」
クロウリーはそう謝罪を述べた。
ヘイルは唇を噛んだ。
「今すぐ全員殺してやりたけど、死に逃げなんて俺は許さねぇ。」
ヘイルはシャルイからAを受け取り、クロウリーに渡した。
「いいか、Aを死なせろ。何十年もかけて。Aが継承の役を終えても転生したから今後どうなるかは分からない。何世紀も生きてきたAを自由にさせてくれ。」
ヘイルはそう言った。
罪悪感で潰れればいいのに、という悪態を込めて。
Aが無事に生涯を終えるて欲しいのは本音だった。
「──分かりました。Aさんを学園で引き取りましょう。」
クロウリーはそう言った。
その声と表情に嘘偽りは無かった。
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∞輪廻∞(プロフ) - アイスさん» ネージュはフランス語で雪という意味があるので、そう命名しました!そういう質問待ってたありがとうありがとう!! (2021年6月29日 16時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
アイス - こんにちは。とても面白くてすぐに読み切ってしまいました。ところで、夢主ちゃんの名氏が「ネージュ」ですが、なにかネージュ君と関係があるのでしょうか? (2021年6月28日 21時) (レス) id: 50003851a2 (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - 夢色ふぅなさん» そういう反応を待ってたよぉぉ!!!()ありがとう!!無事完結出来て良かったです!ありがとうございました! (2020年11月28日 22時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
夢色ふぅな(プロフ) - 最後号泣しちゃいました…()とっても面白かったです…!! (2020年11月28日 22時) (レス) id: 4a2b5a8613 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンの皮(プロフ) - 灰鴉さん» あっ..........しくった........教えてくれてありがとうございます!すみません直しておきます!指摘感謝です! (2020年11月18日 21時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∞輪廻∞ | 作成日時:2020年10月24日 23時