検索窓
今日:25 hit、昨日:25 hit、合計:138,464 hit

枯れた氷の華 ページ22

Aが、シャルイの腕の中で小さな寝息を立てた。

「────最後だ。」

「──A。Aはもう普通だよ。」

ヘイルとシャルイが眠っているAにそう言った。

「──は、A.......?」

レオナがそう呟いた。

「......そうだが?」

ヘイルが彼に冷たくそう言った。

彼らが驚くのも無理はない。
Aは幼くなっていた。

「Aは最後の転生をした。」

ヘイルは短くそう言った。

「転生って......。」

「Aは私たちの街の継承者なの。Aは間違えたからやり直した。でも、Aはもう転生は出来ない。........理由は分かるよね?さっきAが見せてくれたから。」

シャルイはAから目を離すことなくそう言った。

「......Aは、ボク達のことを忘れてしまったのかい?」

リドルがそう聞いた時だった。

「──今、何つった?」

リドルの胸ぐらをヘイルが掴んだ。

「Aがお前らを覚えている?何を言っているんだ。Aをここまで散々傷付けたくせに!!」

ヘイルの怒号に彼らは息を飲んだ。

「Aが転生するのは苦しかった証拠だ!!Aはこんなとこに来るはずじゃなかった!来る必要なんてなかった!!お前らと関わる必要なんてひとつもなかった!!
転生する必要性も皆無だった!

なのに!お前らのせいで!お前らがAと関わったせいで!!Aが壊れた!!」

ヘイルはリドルを突き放した。
そして、クロウリーの方を見た。

「──Aがああなったのに、今後にどんな影響があるか分かってんのか、ディア・クロウリー。」

「申し訳ありません......私の意識の低さが.....もっとAさんを見ておけばよかった....ッ....。」

クロウリーはそう謝罪を述べた。
ヘイルは唇を噛んだ。

「今すぐ全員殺してやりたけど、死に逃げなんて俺は許さねぇ。」

ヘイルはシャルイからAを受け取り、クロウリーに渡した。

「いいか、Aを死なせろ。何十年もかけて。Aが継承の役を終えても転生したから今後どうなるかは分からない。何世紀も生きてきたAを自由にさせてくれ。」

ヘイルはそう言った。
罪悪感で潰れればいいのに、という悪態を込めて。
Aが無事に生涯を終えるて欲しいのは本音だった。

「──分かりました。Aさんを学園で引き取りましょう。」

クロウリーはそう言った。
その声と表情に嘘偽りは無かった。

毒の花→←色褪せた氷の華



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (193 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
507人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

∞輪廻∞(プロフ) - アイスさん» ネージュはフランス語で雪という意味があるので、そう命名しました!そういう質問待ってたありがとうありがとう!! (2021年6月29日 16時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
アイス - こんにちは。とても面白くてすぐに読み切ってしまいました。ところで、夢主ちゃんの名氏が「ネージュ」ですが、なにかネージュ君と関係があるのでしょうか? (2021年6月28日 21時) (レス) id: 50003851a2 (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - 夢色ふぅなさん» そういう反応を待ってたよぉぉ!!!()ありがとう!!無事完結出来て良かったです!ありがとうございました! (2020年11月28日 22時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
夢色ふぅな(プロフ) - 最後号泣しちゃいました…()とっても面白かったです…!! (2020年11月28日 22時) (レス) id: 4a2b5a8613 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンの皮(プロフ) - 灰鴉さん» あっ..........しくった........教えてくれてありがとうございます!すみません直しておきます!指摘感謝です! (2020年11月18日 21時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:∞輪廻∞ | 作成日時:2020年10月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。