毒の根 ページ14
──一方、ナイトレイブンカレッジでは。
「──ネージュさんが居なくなってから、半月近くなりますが、何か手がかりは。」
寮長会議が開かれ、各寮の寮長と学園長が神妙な表情でいた。
「...........何一つ。」
「跡形もないです。」
「全くだ!」
「無しよ。」
「全然でござる。」
「無いな。」
「........。」
寮長がそれぞれ口を開く。
「アンタは?」
「何か知ってます?」
ヴィルとクロウリーが何も発言していないレオナを見た。他の寮長も彼に目を向ける。
「......こんな待遇されてんなら俺はこんな場所なんかに居たくねぇな。」
レオナがそう言った。
「.......まさか。この学園に居ない、とでも?」
アズールが言った。
「......彼の故郷は....四季の国の冬の街。」
「四季の国って、国民以外は容易に入れないんじゃ......。」
それぞれが呟く。
寮長達はAが本当に監督生を犯してしまったのだろうか。
本当は行為をしていないと信じたい。
だが、
だから会って話がしたい。
そんなことしていないと言って欲しい。
彼を信じたい。彼と笑いたい。
監督生が来てから彼が笑わなくなったことは周知の事実だった。だからこそ寄り添いたい。
助けたい。真実を、証明して欲しい。
誰の言葉もかかることなく、この場にいる全員が立ち上がった。
「.....行きましょう。四季の国へ。」
クロウリーがそう声を発す。
その時だった。
「おいっ!クロウリー!!これはどういうことだ!!夏だって言うのに雪が降ってるぞ!それも吹雪!!!」
「?!」
部屋にクルーウェルが入ってきた。
激しく上下する肩は走ってきたことが分かった。
その言葉に彼らは驚きを隠せなかった。
.
──最近、皆ピリピリしている。
私に話しかける度に心配するような言葉がかかる。
一体何故そうなるのか分からなかった。
ただ、前とは何か違う。
皆の私に対する態度も。
変だ。
何か、忘れている気分。
儚くて、柔らかくて、白くて、冷たい、大切なものが。
でも分からない。
「おい!監督生!見てみろよ!雪だ!夏なのに雪が降ってる!」
「はぁ?エース何言って....ほんとだ....なんでだ....?!」
「ほわぁ〜白いゾ!」
「あ......ほんとだ。」
それを見て私は懐かしいと思ってしまった。
涙が溢れそうだ。
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∞輪廻∞(プロフ) - アイスさん» ネージュはフランス語で雪という意味があるので、そう命名しました!そういう質問待ってたありがとうありがとう!! (2021年6月29日 16時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
アイス - こんにちは。とても面白くてすぐに読み切ってしまいました。ところで、夢主ちゃんの名氏が「ネージュ」ですが、なにかネージュ君と関係があるのでしょうか? (2021年6月28日 21時) (レス) id: 50003851a2 (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - 夢色ふぅなさん» そういう反応を待ってたよぉぉ!!!()ありがとう!!無事完結出来て良かったです!ありがとうございました! (2020年11月28日 22時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
夢色ふぅな(プロフ) - 最後号泣しちゃいました…()とっても面白かったです…!! (2020年11月28日 22時) (レス) id: 4a2b5a8613 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンの皮(プロフ) - 灰鴉さん» あっ..........しくった........教えてくれてありがとうございます!すみません直しておきます!指摘感謝です! (2020年11月18日 21時) (レス) id: 5125d15ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∞輪廻∞ | 作成日時:2020年10月24日 23時