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34 (愛蔵side) ページ36

入学式当日、俺は特に意味は無いが校内を歩いていた


すると、体育館の方からフラフラと歩きながら女が出てきた




(体調悪そうだな⋯⋯声をかけるか?でも、めんどくさくなったらどうしよ⋯。いや、そんなこと思ってる暇ないな⋯)




そして俺は声をかけた


愛「大丈夫か?」






するとその女は、俺の顔を不思議そうに見てきた


(なんだ、俺たちを知らないのか⋯⋯ならいい)



そう思いまた「大丈夫か」と声をかけた



するとその女は


貴「えぇ、大丈夫です⋯⋯ありがとうございます。新入生ですか?」


と、微笑みながら聞いてきた



(綺麗な声、それに綺麗な顔⋯⋯)



一応いつもの笑顔を作り「はい!」と答えた。



愛「俺、柴崎愛蔵っていいます!」


と名乗ると、その女はあいつの名を出した



貴「え⋯⋯柴崎?柴崎くんの⋯弟ですか?」



(あぁ、不快だ。なんであいつなんかと⋯⋯)


まぁ、事実なのは変わりないので否定はしなかった



俺の顔は今、アイドルには似つかわしくない顔をしているだろう



貴「私は⋯夜風美月といいます。地雷を踏んでしまったようならば謝ります⋯⋯ごめんなさい⋯」


と、謝ってきた




別にこいつは悪くない

なんだか、先程の態度を申し訳なく思った



愛「は?別に⋯気にしてない⋯⋯」



するとその女は


貴「そうですか⋯⋯良かったです⋯」

と微笑んでいた



(てか、まて⋯⋯この女⋯俺より学年上だよな⋯)



まずい⋯


少し焦ったような顔をしてしまった



すると、俺の心の内を見透かしたように



貴「ふふ、気にしなくていいですよ⋯」


と、言ってきた

そして



貴「それと、貴方のこと、いつもテレビで見ています。LIP×LIP⋯応援していますよ⋯」


とも言われた



凄く嬉しかった

この女は⋯⋯いや、この人は他の人達のようにキャーキャー言ってこない


きっと、そうされたら俺が困るのを知っている




愛「本当ですか!?ありがとうございます!」


俺のこの言葉は、心からの言葉

そして、心から笑えていたと思う



貴「いえいえ。これからも頑張ってください」



と、微笑みながら言われた








本当に嬉しい









まぁ、あいつの彼女さんだって知るのはまだ先の話だが

35→←33 (夢主side)



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作者名:りんご飴 | 作成日時:2019年6月6日 23時

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