20 (健side) ページ22
病院に着き、美月はすぐにベットに寝かせられ、検査が始まった
検査の結果は良いわけがなく、入院になった
アリサからの着信が入り、電話に出る
ア「柴崎くん、夜風さんは!?」
健「入院になった」
ア「っ⋯入院に⋯⋯」
周りに虎太郎や幸大、雛もいるようで、心配の声が聞こえていた
これ以上話を続ける気もなく、静かに電話を切った
美月の病室に入ると、美月は、点滴や酸素マスク、様々なチューブに繋がれた痛々しい姿で辛そうに眠っていた
そっと手を優しく握ると、とても冷たかった
健「ごめんな。辛かっただろ。苦しかっただろ。すぐに助けに行けなくて⋯ごめん。」
美月の手をぎゅっと握った自分の手に、涙が落ちていた
それに気付き、驚いた
(俺、なんで泣いてるんだ?それに、どうしてここまで俺は美月ちゃんに⋯)
(あぁ、そうか⋯)
(俺、美月ちゃんのことが好きなんだ)
(俺はあの時、美月ちゃんを一目見たときから惚れてたんだ。好きだったんだ。)
(やっと気がついた)
恋愛なんてゲームだと思っていた
でもこれは、遊びでもゲームでもない
本気の"好き"なんだ
(そっか、俺は⋯)
健「美月ちゃんのことが好き⋯」
小さく呟いていた
貴「私⋯も⋯⋯す⋯き⋯⋯⋯」
健「ぇ?」
美月の声が聞こえ、顔を上げて美月の顔を見ると、優しげに微笑みながらこちらを見ていた
そしてもう一度
貴「私⋯も⋯⋯柴崎くんの⋯⋯こ⋯とが⋯好き⋯」
苦しそうに途切れながらも、笑顔で最後まで言いきった
貴「だ⋯から⋯⋯泣かないで⋯⋯⋯私⋯⋯柴崎くん⋯の⋯⋯笑顔⋯大好き⋯⋯です⋯から⋯⋯」
優しく微笑み、そっと俺の頬に手を添えて優しく涙を拭ってくれた
俺は美月を抱きしめていた
チューブなんて気にせず、壊れ物を扱うように大切に強く抱きしめた
健「俺も好きだ⋯。美月ちゃんの笑顔も⋯全部が好きだ」
そう、綺麗な笑みで言うと美月は、幸せそうに嬉しそうに微笑み、また眠りについてしまった
俺達の始まり
そして、俺の決意
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作者名:りんご飴 | 作成日時:2019年6月6日 23時