小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。 6

治 療　[ 256 ] ページ29

* 真愛side *



… さっき あの部屋に なった って ことは 、

今日から 治療だ ってこと 。





そういえば … 外泊の 前くらいに

何日くらいに 始めるからね って 言ってた ような …



そのくらい 遠い記憶で 、 外泊のせいも あって 、

すっかり そのこと なんか 忘れてた 。






本当は 、 熱も出るし 、 気持ち悪くなるし 、

どうなっちゃうんだろう って 怖いし 、

やりたくない気持ちで いっぱい だった 。





でも 、 頑張る って 言っちゃったし 、

本当は やりたくない なんて 言ったら 、

見放されちゃう気が して 、 言えなくて 。





奏 「 ねえ 真愛ちゃん 。

頑張って くれようと するのは 嬉しいけど 、

我慢を 積み重ねることは 違うよ？ 」



「 ……！ 」



奏 「 怖い と 思ったら 、 正直に 言っていいの 。

… 今までだって 、 ずっと そうしてきた でしょ？ 」





… やっぱり 、 奏先生 には かなわなくて 。




先生は 全部 わかってる 、 そう 思ったら 、

耐えきれなく なって 、 涙が 溢れてきた 。





「 …… ぐすっ …… ほんとうは …… こわいっ …

… でもっ …… やらなきゃ …

いけないし …… っ … ひっくっ … 」



奏 「 そうだね？

頑張ろうとしてくれてるのは 先生 だって 知ってるよ？ 」



「 くるしいし … つらいし …

ほんとうは …… やりたくない … っ… 」



奏 「 そうだよね 。 … よく 言えたね？

一人で抱え込んで 辛かったね 、 怖かったね？ 」



「 … ぐすっ … うわーん!!! 」






久しぶりに 小さい子 みたいに 大声で 泣いたけど 、

先生は 何も言わずに 真愛が 泣いている間

ずっと ぎゅっと 抱きしめてくれた 。






・






奏 「 でも 真愛ちゃんが 治療 頑張らなきゃ 、 だなんて 、

成長を 感じるわ〜 。 」



「 … えっ … ？ 涙 」



奏 「 だって 、 治療も そうだけど 、 そもそも 点滴 自体 を

怖がって 泣くと 思ったから 笑 。 」



「 … むぅ …… 」



奏 「 だから 、 別に 泣いても いいんだからね？

先生は 嫌がったりしたくらい じゃ 治療 やめないから 笑 。 」



彩 「 真愛ちゃん ごめん 遅くなっ … あらっ 、 先生 と

仲良くしてたのなら もう少し 遅くても よかったね 笑 。 」






まってまって 、 先生 笑顔で 恐ろしいこと ……


っていうか 彩ちゃんのタイミング！




… んもぅ 、 治療が 始まる前に また 泣いちゃうよ!?

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