小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。 6

治 療　[ 255 ] ページ28

* 奏side *


外泊のことも あって 、 前回の 治療 から 少し 開きつつも 、

今日から 真愛ちゃんの 治療 …

いわゆる 抗がん剤の 点滴を 始める 。





… 正直 、 治療に 気乗りする子供 なんか いないし 、

ましてや もう 数度目になる 真愛ちゃん にはもう

治療で どんなことが 起きるのか だって わかっている 。




そんなわけで 、 前準備も あるから 、

なるべく 看護師さん達 が 手こずらないように 、

前々では 治療を 開始する タイミング は 伝えていたものの 、

ここ1週間ほど その話題は 一切 真愛ちゃんには していなかった 。






だから 、 いきなり クリーンルーム なんかに されて 、

泣いてるか 、 ぐずってるか … どっちかかなぁ と 思いながらも

真愛ちゃんの 病室に 向かうと 、

ドアの 目の前に 立つと 聞こえてきたのは 意外にも 明るい声 。




今日の 担当が 宮崎さん だったのも 効いたかな (^^;





なーんて ちょっと ほっとしつつ 入ると 、

私の 存在 を 確認した 瞬間

表情 が こわばったのを 感じた 苦笑 。







・






「 … 診察だけで いいからさ 、 いつもと 一緒 、

もしもし して あーん するだけ だよ？ 」



真 「 …… 。 」




先ほどの 期待も むなしく 、 宮崎さん が

グッドタイミングで 呼ばれていなくなって しまってからの

真愛ちゃん の テンション の 下がりようが すごかった (^^;




話しかけても 、 とうとう 喋ってくれなくなった 真愛ちゃん 。





… 多分 真愛ちゃんの ことだから 、

元々 このテンション だったのを どうにか 宮崎さん が

あげてくれていた状態 だったんだろうな 苦笑 。







「 … 今は 治療 、 まだ しない からさ？ 」



真 「 … ほんと … ？ 」



「 ほんと 。 だから 、 もしもし してもいい？ 」



真 「 …… いいよ 」





ひとまず 診察だけは させてもらい 、 とりあえず

いつもと 体調が 変わりないことは 確認できた 。






真 「 …… ちりょー … する … ？ 」



「 したいけど … もう 今から しても 大丈夫？ 」



真 「 … また お熱 出るかな？ 」



「 出ちゃうかも しれないね 」



真 「 気持ち悪く も … なるよね？ 」



「 うん 、 なっちゃうかもね 」



真 「 … そっか 」






そう言った顔は 、 物凄く 我慢している顔で 、

その 表情 を 見ていると 、

これなら 泣いてくれたほうが 楽だと 思うほど だった 。

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