小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。 6

待 ち 望 ん で い た　[ 241 ] ページ14

* 真愛side *

　

紗 「 イルカ と ラッコ って …

それ って 魚 に 入らなくない？ 笑 」


「 入るよ！ 」



　


なんとか 外泊前 の 嫌なこと も 終わり 、

夜から の 外泊 に 向けて さぁちゃん と 準備中 。


　



紗 「 水族館 か〜 。 もう 何年 も 行ってないなー …

でも 、 動物園より も 水族館 の ほう が

私 は 好きだったな 」


「 ふーん … 」


紗 「 まぁ でも 、 楽しんで おいでね？ 戻ってきて 、

感想 聞かせてくれるの 楽しみ に してるから 」


「 うん♪ お土産 いっぱい 買ってくるね！ 」


紗 「 ありがとう 笑 。 」


　



忘れ物 が ないように 、

何度 も 何度 も バッグ を 確認 して 。





先生 が 、 時計 の 短い針 が

5 に なったら 来るから 、 と 教えてくれた 。

　

こういう 待っている時間 は すごく 長いのに 、

いざ 外泊 したら きっと あっという間 なんだろうな と 思う 。



　



・



　



奏 「 お待たせ 。 行こうか 」


　


約束した時刻 に 、 奏先生 が 病室 に 来てくれた 。



でも 、 既 に 白衣 を 脱いでいて 、

かっこいい 大人 の 女性 って 感じ で いつも と

雰囲気 が 違うように 感じる 。





先生 と 手 を 繋いで 、 いつも 乗り越えていた

ガラス の 扉 の 手前 まで 来ると 、

さぁちゃん や 香先生達 が お見送り に 来てくれた 。


　



香 「 楽しんでおいでね (^^) 」


紗 「 お土産話 、 待ってる からね 」


「 ありがとう 。 … 行ってきます♪ 」






手 を 繋いでいないほうの 手 で バイバイ しながら 、

重たい ガラス扉 の 向こう に 歩き出す 。




いつもなら 絶対 に 出て は いけない 領域 に 、

堂々 と 歩いていられるの が 嬉しかった 。



　



奏 「 帰り 、 スーパー 寄ってもいい？

家 に 全然 ろくな食べ物 ない と 思うんだよね 」


「 うん 。 真愛 は 平気 だよ 」


　



そんな 、 当たり前 の ような 会話 でさえ うれしくて 。



　





先生 と 目 が 合うと 、 お互い に 微笑む 。




　





　



いつか 心 の どこか で 思い描いた 、 理想 の 母子像 。



それ を ふと 思い出す 。









自分 の 母親 とは 、 できなかったこと 。









… あれだけ 、 頑張ったのにも かかわらず 。





　






なんにも 先生 の ために 頑張ったつもり は ないのに 、



こんなに 簡単 に できたのは 、 何故 だろう 。

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