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その言葉と同時にリングがザンザスにはめられる。途端リングが光り出し、ザンザスは立ち上がった。
『力だ！！とめどなく力があふれやがる！！！これがボンゴレ後継者の証！！ついに！！ついに叶ったぞ！！これでオレはボンゴレの10代目に……！！』
心臓が大きく鼓動し、ザンザスは吐血する。再び地面に倒れ、ザンザスの血はなおも止まらない。
『リングが……XANXUSの……血を……拒んだんだ……』
『ムム！おまえ何か知っているな？リングが血を拒んだとはどういうことだ！？』
険しい表情のツナに、いい気味だろうとザンザスが吠える。
『オレと老いぼれは血なんて繋がっちゃいねぇ！！』
静まり返ったその場に同情するなとザンザスは声を荒げた。観覧席のスクアーロはオレには分かると呟く。チェルベッロが通信機を繋げ、スクアーロの声が戦場まで届いた。
「おまえの裏切られた悔しさと恨みが……オレにはわかる……」
『生きてやがったのか……カスザメ…………わかる……だと……てめーに……オレの何がわかる……知ったような口を……きくんじゃねぇ……』
「いいやわかる！！知っているぞぉ！！」
『なら言ってみろ！！オレの何を知っている！ああ？』
しばらくの沈黙のあと、スクアーロは語り出す、ザンザスの生まれを。
下町で生まれたザンザスは生まれながらに炎を宿していた。その炎を見たザンザスの母親は、ザンザスがボンゴレ9代目との間に生まれた子どもだという妄想に取り憑かれ、9代目とザンザスを会わせた。9代目はザンザスに自分の息子だと言い、ザンザスもそれを信じた。
それから引き取られたザンザスは9代目の息子として育ち、次期10代目候補として文句のない男に成長した。しかし、ザンザスは知ってしまったのだ。自分が9代目の実子ではなく、養子であること。ボンゴレとは血の繋がりもないこと。そしてブラッド・オブ・ボンゴレがなければ、後継者として認められない掟があること。
ザンザスは裏切られたのだと怒りを膨らませて、そしてクーデターを引き起こした。
「これがオレの知ることのすべてだ。揺りかごの後に調べた」
『くだらねー……』
『9代目が……裏切られてもおまえを殺さなかったのは……最後までおまえを受け入れようとしてたからじゃないのか……？』
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月11日 19時
