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雲の守護者の使命を読み上げるチェルベッロ。最も過酷なフィールドを用意した、だなんて本当かな？だって、地雷なんか警報音が鳴る親切設計だよ？
あーあ、つまんないな。ヒバリさんの相手がロボットってだけで面白みがないのに。帰っていいかな？
「ヒバリはうちのエースだからな。あいつは負けねーって」
「……フッ、エース…………ぶはーはっはっ！！そいつぁ楽しみだ！！！」
おかしくて仕方ないというふうに笑うザンザスを見やる。あの反応、やっぱりおかしいと思うんだよね。だって、仮にも暗殺部隊のボスさんでしょ？人の力量を見極められないとは思えない。
だから、あの機械相手にヒバリさんが易々と勝ってしまうことくらい分かるはずだ。あの機械に何か細工がされているとしか考えられないよ。
円陣を組もうと肩を組んでくる山本武を引っぺがして、距離を取る。あんなの僕にやれっていうほうがおかしいんだよ。むさくるしい円陣を遠巻きに見て、ため息をついた。
「それでは始めます。雲のリング、ゴーラ・モスカVS.雲雀恭弥。勝負開始！！！」
無造作に立ったままのヒバリさんにゴーラ・モスカが突っ込んでいく。その指先が開いて銃弾が飛び出した。その単調な攻撃に何度目か分からないため息をつく。本当、ただのおもちゃに何ができるっていうんだろう。
腕を捥がれて爆発した機械モドキを眺める。不良品だったんじゃないかな、あれ。
「これいらない」
「へ？あの……」
「さあ、おりておいでよ。そこの座ってる君。サル山のボス猿を咬み殺さないと帰れないな」
え？えっ！それはずるいんじゃないかな、ヒバリさん！その人、僕が一番遊びたかった相手だよ！
ずるーいと声を上げれば、ヒバリさんは僕を見て笑う。残念だったねと揶揄うような言葉が返ってきて、地団駄を踏んだ。ザンザスが跳躍してヒバリさんに向かっていくのを指をくわえるような気持ちで眺める。
トンファーでその足を防いだヒバリさんはトンファーを構え直した。
「足が滑った」
「だろうね」
「ウソじゃねぇ」
ザンザスの足元で地雷が爆発する。すんなりと躱してみせて、ガラクタを回収しに来ただけだと、自分たちの負けだと言ってのけるその表情は、余裕が崩れないままだ。
ガトリングが火を吹いて、それでも2人は気にしない。ザンザスは攻撃を躱すばかりだったけど、それも段々と余裕がなくなっていって、ついに手が出た。
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月11日 19時
