アマリリス (ページ27)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:67,349 hit

予約ページ27

.

「はぁぁぁ、疲れた」

『ふふっ、お疲れ様、隼くん』

「今日聞いてくれました？ラジオ」

『うん。ちゃんと毎週聞いてる。ここで流してるの』

「え？ここって？」

『ここ、カフェ。普段は洋楽なんだけど毎週金曜日のあの時間は隼くんの声聞きながらやってるよ』

そういうと隼くんはわかりやすく頬が緩んで、私の大好きな笑顔を見せた。

「今日のゲスト、アイドルだったでしょ？それがさー、意外とかわいくて。いい匂いもしたし、やっぱりアイドルはアイドルだなー、って思った。めっちゃかわいかったー」

『･･･そっか、それはよかったね』

･･･初めて聞いた。隼くんの口から女の人の話。
ましてやお仕事でのかわいい、とか1ミリも聞いたこと無かった。

なんか胸の奥が苦しくて、その人のことを思い出しながら話してると思うともっとモヤモヤする。

なんか、隼くん楽しそう。

「･･･Aさん？」

『･･･え、あ、ううん！楽しそうだな、と思って』

「･･･まさか、嫉妬･･･？」

『･･･っ！？』

" 嫉妬 "

この2文字に反応してしまってビクッ、とからだが跳ねた。
そんな私を見て隼くんは笑ってるけど、別に嫉妬なんか！

「俺が女の子の話してモヤモヤしたでしょ？」

カウンターを乗り越してイタズラに笑う。
今までは私が隼くんのことを振り回してたのに、いつから立場逆転しちゃったんだろう。

『･･･っ、してない、』

「へへっ、Aさん俺にベタ惚れだ」

･･･自分でもわかる。
今、頬も耳も顔じゅうリンゴみたいに真っ赤なの。

.