アマリリス (ページ16)

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秘密ページ16

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「今日朝行ったらメンさん床に寝転んでて、その上に玲於が乗っかって寝ててたのね。ちょっとかわいくて写真撮っちゃった」

ほら、見て？って携帯の画面を私に見せる隼くん。
大きな背中の上に乗った色白の男の人。この人が玲於さん。

なんか動物の親子みたい。

『ふふっ、かわいい』

「でしょ？これ写メ撮ったの怒られたー」

さて、今日もアマリリスな隼くんとの一日をお届けします。

「この間哲也さんにもらった豆入れたんすよ、めっちゃうまかったっす」

哲也「でしょ？あれは俺の今年一のおすすめだからね」

北人「って言っときながら数週間後にまた同じこと言う」

『こら、北人くん。哲也さんはコロッとものの見方がわかる人だから仕方ないの』

哲也「ちょっとそこのお二人さん？」

「あー、はいはい、哲也さんの舌に間違いないことは確かですから！」

北人「金髪、うまく逃げやがって」

『もう！金髪じゃなくて隼くん！』

あまり騒がしくない落ち着いた雰囲気のこのカフェも、隼くんがいるだけで賑やかになって明るくなる。北人くんもいつもより話すし、哲也さんも楽しそう。

なにより、隼くんが1番幸せそうだけどね？

「そういえば Aさん」

『はい』

「俺に秘密にしてることありません？」

うーん、と頭を回転させる。
悩みに悩んでも思い当たる節はない。
私、無意識のうちになにかしちゃってたかな。

『ごめんなさい、隼くん。何も思い浮かばない』

「うん、だよね。そうだと思った」

『･･･ごめんなさい、』

「あ、いや、ううん！そういうことじゃなくてね！うちのメンバーが最近うるさいから･･･」

あ、と頭の中に1人浮かんだ人。
もしかしてだけど、龍友さんのことかな？
でも、別に隼くんに秘密にしてるわけじゃない。いや、でもこの席に座ってること言ってないし、そもそもこの店に来てることも伝えてなかった。

わ、あった。
あったよ秘密。

「龍友くんがね、ある女の子に毎日会いたい会いたいうるさくて。西野カナさんか！てね。」

『･･･ふふっ』

「笑い事じゃないんだって！その女の子の特徴がどうもAさんに似てるんだよなぁ」

『私、数原さん？とはお会いしたことないよ。隼くん、メンバーさん誰も連れてきてくれないから』

「そうだよねぇ」

誰なんだろ？と悩んでる隼くん。
ごめんね。なんだかちょっと言っちゃいけない気がしたの。

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