アマリリス (ページ12)

今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:67,352 hit

あの人の正体ページ12

.

隼「Aさん、この間話してた雑誌、持ってきた！」

『あ、表紙のやつ？』

隼「そうそう！見て見て！どう？かっこいい？」

表紙にはどーん、と大きく写るGENERATIONSの皆さん。金髪の目立つ隼くんはひと目でわかる。

こんな真剣な表情、普段はあんまり見た事ないなぁ。

新しい一面に少しドキッとする。

『うん、すごくかっこいい』

そして、隼くんの隣に写るガタイのいい男性。

･･･この人、見たことある。というよりかは、お会いしたことがあるような、

北人「あ、この人」

『わ、北人くん！』

北人「この人、この間炭酸飲んでた人じゃない？」

私の耳元でコソッと言った北人くん。

確か名前は数原龍友さん。

･･･そうだ。この人。隼くんの口から聞いたことあったような気がしたのは、この人がGENERATIONSのメンバーさんだからだ。

『･･･わ、この人歌手だったんだ』

隼「･･･ん？」

北人「この間、この店に『あーーー！ううん！隼くん、なんでもない！ほら、北人くんは哲也さんのお手伝いしてきて！』

北人「･･･ほーい」

龍友さんが来た。

なんて、少し言いたくなかった。

隼くんに隠し事してる。それは悪いことだけど、なぜか言いたくなかった。

今、隼くんの席にいつも座ってる、なんてことも言えない。

隼「･･･そんなに慌てて、どうかした？」

『え、あ、う、ううん。こんなにガタイのいい人がボーカルやってるんだなぁ、ってね、』

隼「あー、龍友くん。なんか最近カフェに寄ったらかわいいお姉さん見つけたーって喜んでたけど。俺にはAさんで十分だなぁって思った。へへ、今日も好きです、Aさん」

『ありがとう』

それ、私の事じゃないよね？

って自意識過剰って思われるかもしれないけど、少しだけ心配になった。

私も、好かれるなら隼くんだけでいい。

最近そう思うから。

こんなこと、隼くんが調子に乗るから絶対に言わないけど。

.