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磯崎が三国先輩に思いっきりシュートを打つ。先輩はボールごと吹っ飛ばされてゴールポストに背中を強打した。
「点は入れないけど、それはそれとして攻撃はするのか……！ 」
三国先輩はボールを抱えて暫く蹲っていたが、腹を抑えてボールを前へと繋ぐ。落下地点には松風君がいた。
「天馬、アイツあんなボロボロなのに立って……」
「困るんだよ、君。皆みたいに大人しく寝といてくれよ！ 」
「うわああッ！ 」
「天馬！ 」
「おい、コイツを潰すのは剣城だ。その辺にしとけよ」
「分かったよ。……ほら剣城、お前に譲ってやる」
「……松風」
「つ、るぎ……」
「コイツ……！ 立ちやがった……」
松風君と剣城が睨み合う。見守るしかできないのがもどかしい。
「俺は……サッカーを守る。その為にも勝たないと、いけないんだ」
「……っ！ サッカーサッカーって……お前本当にうぜぇんだよ！！ 俺はここからお前にシュートを打つ。そしてお前を潰す！ 」
「それでも逃げない。俺は最後まで戦う……！！ 」
メガホンを握る手が汗ばむ。何を話しているんだ、剣城は何をする気だ、松風君の足は大丈夫なのか。
剣城がボールを足の甲で持ち上げて、松風君に向かって蹴りつける。この至近距離で必殺シュートなんて食らったら脳震盪じゃ済まない。
「デスソード！？ 天馬逃げて！ 」
「──」
でも、威力が弱い？
ただ弱いとはいえ腐っても剣城の必殺シュートだ。デスソードは松風君の体をボールごと軽々吹っ飛ばす。
「何やってんだよ剣城！ 下手すりゃ入るぞ！ 」
「……俺がそんなヘマをするか」
霧がゴール前を覆っていた。
「天馬……、大丈夫か……？ 」
「き、りの先輩……！？ 」
「……ハハ、間一髪だったな。剣城の奴もきっと、冷や汗かいてるよ……」
「霧野先輩──！？ 」
ゴール前の霧が晴れて事態を理解する。吹き飛ばされた松風君を、彼が体全身を使って受け止めてくれたのだ。
痛む両足で踏ん張って、霧で剣城の視界を奪って、後輩とゴールを守った？
「なぜだ」
「剣城」
「なぜそこまでやれる！？ ……俺がお前らと仲良しサッカーをすると、本気で思ってるのか！！ 」
「ああ……思ってる。お前も先輩達も、フィフスセクターに本心から従ってる訳無い！！ だから俺……サッカーを守りたいんだ。サッカーが大好きだから！！ 」
松風君が目の前に転がるサッカーボールを、剣城へと蹴った。
「パスだ剣城！ まず一点、取り返すぞ！！ 」
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
