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雷門中を出てから剣城に見つからないよう、こそこそと動いている私達だが、つけられている本人は全く気づく様子がない。一度も振り返らずアーケード街を歩く彼の姿は変な話等身大の男の子そのもので、何だか妙な感動を覚えた。サッカーをしている剣城しか知らないからかな。
「反田さんは剣城と知り合いなんだよね？ 」
「うん。中学生になる前にゴッドエデンで会ったんだ」
「ゴッドエデン？ 」──葵ちゃんが首を傾げる。
「えっとね、シードの養成施設の中でも指折りのプレイヤーだけが集められる島だよ」
「そこで二人は会ったんだ！ どんな所なの？ 」
「自然が豊かで犬とか鳥とかいて、島にいる皆はサッカーが上手くて、ご飯が美味しいんだ。昔の遺跡とかもあって、大きな滝の近くは涼しくて……天国みたいな所だったよ！ 」
「へぇそりゃいい。いつかご招待にあずかりてえな」
「え、でもシードの施設ってフィフスセクターの管理下でしょ？ 僕はいいかな……」
豚マンのいい匂いに食欲を刺激されながら、商店街のアーケードを抜ける。
「あ！ 病院に入ってった。俺達も行ってみよう」
病院に入りロビーを見渡すが、剣城の姿は既に無かった。
「あれ？ 剣城どこ行っちゃったんだろ。見失っちゃったかも」
「よく探してよ天馬。まだこの辺りにいる筈だもん」
葵ちゃんが勇み足で階段へと近づく。
「わっ、危ない葵ちゃん！ 」
「え？ きゃっ！ 」
私達の方に振り返りながら歩くものだから前に現れた車椅子の人とぶつかってしまった。尻餅をつく葵ちゃんに小走りで寄ると、車椅子の彼も心配そうな顔でこちらを伺ってくる。
高校生だろうか？ 釣り目だが穏やかそうな人相で、口元の黒子が色っぽい。
「すまない君。大丈夫か？ 」
「は、はい！ 大丈夫です！ ぶつかっちゃってごめんなさい！ 」
「よそ見していたら危ないぞ。それじゃあ」
葵ちゃんが怪我をしていないのを確認すると、その人は入院しているらしく自分の病室へと戻って行った。
「あれ、これ何だろ？ 」
松風君が少し離れた位置に落ちていた雑誌を拾う。来た時には無かったそれはサッカー雑誌で、状況からしてさっきの車椅子のお兄さんが落としたのは明白だった。
「どうしようやっぱり届けに行った方がいいよね」
「そうだな。アタシ達は剣城を捜しとくからお前ら行ってこい」
水鳥さんの提案で三人ずつに別れる。剣城を探すのは水鳥さん、茜さん、私だ。
「そんじゃまた後でな」
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
