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『なんとぉ! 大きく跳ねたボールは、西園へのパスだった! 全てを計算尽くしたプレイ! これが神のタクト、神童拓人のゲームメイクだ! 』
「神童さんすごーい! 」
流石雷門サッカー部のキャプテン。
「西園君前、前から相手来てるよ! 」
「ちゅーかお前うろつき過ぎな? 」
「ありゃ? 」
相手のマークをしていたらいつの間にか反対サイドに来てしまっているものだから、は……浜野さん! (間一髪で名前出てきた。ふぅ。)に呆れられてしまった。
「うわーッ!? ごめんなさい! 」
『隼総ボールを奪った! そのまま雷門陣内に切り込んでいく! 』
「うわーーッ! 西園君ボール取られちゃってる!! 」
見てみれば先程話しかけてきた紫髪のMF(紫色のリップがお洒落上級者な感じでかっこいい。)がドリブルで単身乗り込んでいた。
動きが速くテクニックも周りの選手と比べると頭一つ抜けている。私の事をシードだと言っていたし、あの人もシードなのかな。
「ほらほら急いで戻んないと! 」
「はい! 」
「浜野! 余計なアドバイスしてどうするんだ! 」
「でもシードだし、どう動くにしても俺らが口出しした所で責任はアッチに行くんじゃね? 」
「そんな呑気なぁ! あの子もしかしたら密告するタイプのシードかもしれませんよ?! 口ではフィフスセクターを悪く言って、同調した奴らを上に報告するんです……! あぁもう俺達お終いだ……」
何やら先輩方が集まって揉め出してしまったが、試合はどんどん展開している。
「えっと、私戻りますねー……! 」
「あ、おい! 」
私は三人の合間を縫うようにして走り出した。倉間さんが怒っているが話を聞いていたら、あの紫のお洒落さんがフリーで伸び伸びとシュートを打ってしまう。一応DFに配置されたのだから守備に戻らないといけない。
「お前らには負けてもらわないと、困るんだよ──」
怒号と共に彼の背から青黒い炎が勢い良く吹き出る。
『出たァッーー! 天河原中、隼総の化身! 一気に勝負を決めるか!? 』
観客の声援が化身の登場により、怯えを孕んだ物へと変わった。
シード育成の環境が整った今でさえ化身を使える人間は少ない。都市伝説レベルの現象が目の前で起これば多少のパニックは起こるのは自然な成り行きだ。
それなのに先輩達にはある程度の余裕が見えた。どうしてだろう? 雷門に化身使いはいないし……あ、剣城の化身を見ていたのだとしたら、この反応もあり得る。
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー! あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー!!! あああ一話目から面白そう……!! え、え、めっちゃ楽しみです……!! 更新待ってます!! あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……! (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やに | 作成日時:2021年7月12日 10時