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とんでもない話になってきてしまった。
狩屋君がシードで泥棒かもしれなくて、その濡れ着を霧野先輩は着せられてしまったのかもしれなくて、更に狩屋君の他に彼を操る真の黒幕シードが潜んでるかもしれない、のか。
「だ、大丈夫か？ 」
「駄目かもしれないです……頭が混乱して……」
「アハハ……とにかく、狩屋には注意しといてくれ。それとこれは口外しないでほしい。あんまり大事にしたくないんだ。詳しい事情を知ってるのは神童と俺くらいだから、何か気づいたらどっちかに教えてくれ」
「剣城に相談するのは駄目ですか……？ アイツの方が多分私よりこういう話をするの、向いてると思うんですけど」
「剣城に？ ……そうだな、……分かった。アイツにも心当たりがないか聞いてみるよ」
ホッと肩の荷が下りた。いや私も出来る限り何とかしたいとは思っているが、如何せん人間には向き不向きがある。絶対に私よりも剣城の方がこういうの得意だ。
「時間とって悪かったな。これから天馬の家でパーティーだったろ？ 」
「いえいえ！ 私の方こそあんまり力になれなくて不甲斐ないです。そのー、……どうしても狩屋君が悪い様には思えなくて」
「ああ、知ってるよ。お前優しいもんな」
「そうですか？ やった〜」
「神童も典子と化身の特訓が出来て助かってるって。明日からもアイツのレベルアップに付き合ってやってくれよな」
「勿論です！ 」
「じゃ、また明日な」
ここで突然二人の携帯が同時に電子音を鳴らす。イナッターだ。
「あぁ、浜野か」
『帝国戦が終わったしみんなで遊びに行かね？ 』
『＠はまの おー！ いいじゃん。』
『＠はまの おこづかい…どうしよう。』
「良いなー！ 私も行きたーい！ 」
「ハハハッ！ 信助の奴、この前のシューズでお小遣い全部無くなったって。誇張無しに本当に全部無くなってたんだな」
「まあまあしますもんねー、シューズって」
「典子のトレーニングシューズも結構年季入ってるけど、いつから履いてるんだ？ 」
「小学六年生の頃から履いてます！ もうそろそろ限界なんで、買い換えようとは思ってるんですけど」
「あ、そういえば倉間を買い物に誘ってたな」
「そうなんです！ でも全然振り向いてくれません……嫌われてるんでしょうか」
「嫌いならもっと露骨に嫌がるよ。ほらアイツ照れ屋だからさ」
「えー？ この前連携必殺技作りましょうって言ったら秒で断られちゃいましたよ？ 」
「へぇ、そんな話もしてるのか。どんな技なんだ？ 」
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作者名：やに | 作成日時：2022年8月26日 1時
