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どれくらい眠っただろうか。
時計を見れば、あれから5時間ほど経っていて驚く。
カラマトゥはまだ帰って来ていない。
一「おかしいだろ……なんかあったのか…?」
窓の外を見ても、此処は聖域の中。
寝る前となんら変わらず、静かで薄暗い森が広がっている。
しかし、此の聖域の外に出れば、きっと色々と危ないものが________
そういえば、カラマトゥは追われていると言っていた。
其れを思い出して、彼はサッと青ざめた。
まさか、カラマトゥはその追っ手に…!?
確かめに行くべきか、と思い立ち上がれば、先程まで治っていたはずの痛みが脚に、腕に広がる。
彼は悶絶して、その場に倒れこんだ。
倒れこんだ先にあったもの…それは聖書だった。
おかしい、これはあの教会で捨てて来たはず…
一「…でも、よく考えたら…なんでさっき、俺は操られた?
聖書がなければ、神は俺に近づく事は出来ないはず________」
神「それは御前が私の器になりつつあるからだ」
一「…!神……様…!」
突如目の前に現れた神に、一松は嫌悪の表情を浮かべる。
それを神は見逃さなかった。
神「どうした?」
一「…、あんた、なんで街をあんな風にした…!確かに、死ねばいい、と言ったのは俺かもしれない!
でも本当にそうなったら、普通は後悔する…!
だからあえてあんたには頼まなかったんだ!
なのにあんたは、勝手に望みだ願いだって解釈して…!」
一松の言葉を、神は静かに聞いていた。
だがやがて神は、恐ろしい笑みを浮かべる。
神「仕方なかろう?私は破壊神なのだから」
一「破壊、神…!?」
神「御前は願いを叶える度に、体に傷ができていっただろう?
それは私が破壊神で、御前を破滅に追い込んでいるからだ…!
御前を器にするには、今一度御前の体を壊して、私に合うように創り変える必要があるからな…」
神の言葉に、一松は背筋が寒くなるのを感じた。
額にツゥ…と汗が伝う。
一「恐ろしいな、あんた…」
神「だが御前はその私と契約を結んでしまった。
もうそれを取り消す術はない」
一松が神に何か言おうとした時、玄関の扉が開く音が聞こえた。
それだけなら、“ああ、カラマトゥが帰って来たな”程度にしか思わなかっただろう。
しかし、その後何かにぶつかるような、人が倒れたような音がしたせいで、それが一松の不安を煽った。
一「あいつ…!!」
一松は神を放って、慌てて玄関に向かった。
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おそ松さんgirl(プロフ) - みくさん» ありがとう!頑張る!! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 1f58a69c9c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 面白いよ!更新頑張ってね! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 7f167612e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松壱 | 作成日時:2018年5月20日 12時