現実に監視されている以外は普通に零の兄貴です。「名探偵コナン」

三十四話コナンside ページ35

降谷さんが帰った後に安室さんに再度質問をし直して分かったことがあった。 あの人は安室さんの兄だ、そうだ。

また意をけして安室さんにあの人が黒かと聞いた。 俺の幼児化の事は伏せる形で俺の不注意であの人が組織の存在を知ったかもしれない事と、黒っぽい言動をしたことを。

その時の安室さんは本当に怖かった。 圧だけで死ぬかと思ったぜ。 んで、黒っぽい言動をした事については安室さんの考察でもあるが、かなり高度なおままごとをしたんじゃないか、との事だった。

それを聞いた瞬間に、すごく心の底から安堵した。 あの人は昔、そういった演者を目指そうとしていた時期があったらしい。

そんなことがあり、安室さんの助言を含みあの人に、降谷さんに謝罪をしに米花総合病院へと足を進めている所だ。

因みに灰原からはみぞおちパンチを食らった。 まぁ軽いからたいした事はなかったが。

「うん！ ありがとう！ じゃあ行ってくる！」

受付で、今日来た理由を紙に書いて提出をした。 誤解も解けたからあの人に会うのは楽しみっちゃ楽しみなんだが、なんだかな、すごい悪寒がする。

そして病室の前についたから三回ノックをして降谷さんと呼ぶ。 が、しかし数分待っても返事がない。 寝てる、のか？

「降谷さん、寝てるの？」

かなり申し訳なく思ったが、扉を横にスライドして開けると毛布を被っている降谷さんがいた。

数ヶ月前に初めて出会った時と比べるとやはり、だいぶ痩せているように見えた。 仕方がない、お詫びの品だけ置いて帰る……か？

何かがおかしい、何が？ ってあれは！

「酸素マスクがはずれてる！ いや、そもそも酸素を送る機械その物がとめられている」

そしてよくよく見たら腕に刺さってたであろう、点滴までも雑に抜かれた痕跡がある。 その腕も力なくベットから落ちてだらんとしていた。 途端にすごく嫌な予感がして焦って脈を測る。

ﾄｸﾝ…………ﾄｸﾝ……ﾄｸﾝ。

ギリセーフか！ 早く医者を呼ばないと！ ナースコールを連打したい勢いでおして、大きい声でも助けを呼ぶことにした。

……許さねぇ。 これはれっきとした殺人未遂じゃねぇか！ まさか、あの主治医が？ そんなまさかな。 いや、でも見かける度にあの二人がセットだったのにいまこの場で居ないのも怪しい。

でも医者のエゴとやらで、やる可能性も無くはないのか……？

「どうかなさいましたか！」

やっときた！

「降谷さんが危険な状態なんだ！」

三十五話 降谷side→←三十三話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す