現実に監視されている以外は普通に零の兄貴です。「名探偵コナン」

二十六話 コナンside ページ27

やべぇやべぇやべぇ……!! ポアロで蘭達が旅行に行く計画話してたから、俺も新一としてついて行きたくて灰原に電話しただけなのに！

「っておい、灰原？ 聞いてんのかって……電波は…………ひえ」

ずっと向こうから声が聞こえてないだけで、まさか、まさか、まさか電波みたらあの人だと思わないだろうっ！？

そこにはおもいきり、降谷Aと書かれていた。 エリさんとミステリートレインで少し見かけてからおそらく安室さんと繋がりのある重要人物として見ていたが。

こんなところでこんな失態をするとは。 なんて言い訳をする？ いまはこちら側で安心はしているが安室さんと何か関わりが本当にあるのなら俺の情報がバレるはずだ。

なによりも……俺の失敗は(仮にも)一般人をこちら側に巻き込んでしまったことだ。

「……やっと、正体をあらわしたんだ？」

は？……ついメガネが傾いてしまう。 思い切り息を吸い込む音が聞こえたと思ったら……。 そんな、まさか馬鹿な。

やばい。 工藤新一が生きていて、それが江戸川コナンだとばれたら、俺の周りから消されていく！

「正体ってナンノコト？」
「自分から言ったんじゃないか！ 工藤新一くん」

心の奥底では、あの人に限って黒だとは思いたくなかったからか油断してしまっていたようだ。

――安室さんに伝えるべきか？ もしかしたら初めから知っていたのかもしれない。

いや、聞いてみよう。

ちょうど今……安室さんも俺の様子を見にこちらに来たみたいだ。 電話は繋げとこう。

「コナン君？ どうしたんだい？ 遅いから心配したよ」

ちょっとまて？ いまなんか耳に当ててないから聞き取りにくいが端末から変な声聞こえてこなかったか？

……気のせいか。

「ねぇ、安室さん。 降谷Aさんの事で聞きたいことあるんだけどさ」

待てよ。 俺は馬鹿だ。 もし本当に彼が黒側で安室さんの本当のことを知らないとしたら安室さんがノックだとバレてしまう。

危険は高まるがとりあえず通話はやはり、切った方が良いだろう。

「誰と繋げてたか分からないけど、切るのはいい判断だね」

上から含み笑いで見つめてくるの何気に怖いぜ……つい苦笑してしまう。

「で、降谷Aさんがなんだって？」
「あの人との関係性知りたいんだけど」



――

«キタコレ！ 来週見逃せんやつやーん»

«とか意気込んだ時に限って見逃すやつな……»

«ほらほら！ 私はじめからあの人黒側やろ言ってたやん！？»

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