現実に監視されている以外は普通に零の兄貴です。「名探偵コナン」

十七話 ページ18

そんな訳でさっきから、偽物の主治医と話してたわけだけど、仲良くなっちった。

なんか、最初は色々と変な質問をされてたんだが、最後に使えないわ言われてから、お話のオンパレード。

いや、使えないって酷いなぁ！ こら。 俺はこう見えても、こう見えても、こう見えても。

うん使えないな。 昔から零の兄として振舞ってきたものの、よく考えたら家で寝込んだり病院にいる事のが多かったわ。 元気な時も零に付き添ったりしてたし。 そんくらい。

あっ使えないな。 俺。 うん。 自分で言って自分で虚しくなってきた。 ははっ

「いやいや、それは置いといて」
「何を？」

つい、口に出して言っちゃった。

「いやー、俺ってほんと見た目の割に使えないやつだなぁって」
「さっきの事を気にしてるのなら謝るよ……ちょっとトイレ行ってくる」

あ、ってことはおそらくもうこの人とはさよならかな。 一期一会に感謝だね。 うんうん。

「はい！ これ！ もしお腹痛いならこれ持ってってね！」

え、なんでそんな睨むの？ しかも予想以上に怖い。

「まぁ、これは一応持っていくよ」

俺が渡したのは手作りの、ストラップ。 簡易的な物だったけど喜んでくれれば良きかな。

…零に作ろうとしたけど失敗した物だなんて口が裂けても言えないけど。

そして、偽物の主治医はそれを握りしめたまま、部屋を後にした。

「ゲホッゲホッ……大丈夫。 大丈夫」

ミステリートレインに乗る前に薬を飲んだばかりだからまだ飲んだらだめだ。 胸を抑えて我慢しろ。 まだ、俺は俺なら大丈夫だ！

おにいちゃんだろ！ 俺！ 緊張の解放ごときで弱ってたらだめだ！

そうだな、こういう時は羊を数えろ。

羊が一匹。 羊が二匹。 三匹。 四匹、零が一匹、二匹。 三匹

あ？ 途中から零が車をブォンブォン鳴らしながら柵をぶっ壊して進んでいく姿が見えた気が。

「しゃーなし。 少し寝るとしよう」

――

{みてみてー、思ったよりも前編あの人出てこなかったからこんなif作った}
{はぁぁぁ？ なんで、なんであの人が羊の降谷さんに乗ってせいやってしてるの！？}

「はっ夢か……」

妙に現実味あって焦った。 そして俺の夢の中でも零は羊になっちゃったのね。 すまんすまん。

もう一眠りするか…。



｛さっきコナンくんがあの人の部屋を覗いて見た時に見た？？｝
｛寝てたな。 マジ天使。 なに、30代なはずなのにあのふにゃっとした笑顔。 まじ尊すぎ｝

本物はもちろん通常運転。

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