現実に監視されている以外は普通に零の兄貴です。「名探偵コナン」

十話 ページ11

2人きりになっても弟が俺に何も反応をしてくれない事で1つの仮説を立ててみた。

もしや、もしや弟は俺の存在なんか消してしまっまのではないか！？と。 うわん。 それは悲しすぎる。

体調も少し落ち着いたから、断りを入れて手早く薬は飲んだ。

「なぁ、安室さん。 エリの事を頼む」

そして俺は悪い癖を発動させた。 昔から俺が対処出来なくなると弟に全て投げ出すっていうね……。

それに、もしも俺の事を忘れて？ 他人だと思われてるなら案外素直に受け入れてくれ

「えぇ。 探偵の助手としてできる限りの事はしますよ」

るとっっっおい！ 安室？ いや、零！？ やっぱり俺の事覚えてるの！？ なのに無視してるの！？ そしてそろそろ死角だから分からないだろうけど足を踏むのをやめて貰えないかな？

お兄ちゃんなんだけどなぁ？

「おーい！ 安室！ はやく来い！」

「ふっ。 はーーい！ すみません！ 少し降谷さんの体調が悪かったみたいで」

自分の苗字なのになんで、そんな違和感なくスラスラとさん付けできるのか分からない。

階段を降りる背を睨んで、舌をだしてみた。

でも、喧嘩じゃないけど、兄弟だからこそのやり取りだから、この状況を楽しんじまってる自分が居るのも確か、なんだよなぁ。

それにしても、階段下でこっちを見上げていたエリさんに一瞬睨まれたのは気のせい、だよな？

――

｛ねぇ、あの金髪お兄さんの悪顔で倒れた同士おる？怒らんから大人しく手をあげてみ｝
｛うちや。 なんか、エリを頼むに裏がある気がしてならんのだけど？ え、なに？｝
｛組織疑惑がすんごい出てきたね。 やっぱり｝
｛もしかしたら、あくまでも推測だけどエリさんは組織の裏切り者で悪なイケメンさんは安室さんの本当の正体を知っていて頼んだとか？ 要は弱みを握ってる的な｝

「あ！？！？ゲフンゲフン。 すみません。お気になさらず」

そして本人はついに自分についての、考察が後戻り出来ないほどに進んでるのに気づいた瞬間だった。

「それにしても、イケ、イケメンって」

それに小声で喋り盛大にニヤけてる物だから、ちょうどその顔が見える位置にいた通行人に、やばい顔をされたとか。

「ちょっと変人になってたから、気をつけよ」

安室さんと言えば、久しぶりの兄との会話？ に浮かれて、ニコニコとしながらエリさん宅へと同行している様子だった。

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