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夜はどんどん更けていく。
あの後、結局嫉妬されっぱなしで、全然口聞いてくれなかった。
元はといえば、全部私のせいなんだけどね、、(笑)
坂本「・・・んじゃ、そろそろお開きにしましょかー。」
さっき慎吾くんに教えてもらった、キャプテンの坂本さん(?)がそう声をかけた。
隣の誠司はというと、
A「・・・ねぇ、誠司ー。帰ろうや。」
誠司「・・・」
A「誠司ー、、、って寝とるし。」
気持ちよさそうな顔しちゃって。
ガヤガヤしている飲み屋で寝るなんてすごいわ、なんて思わず感心する。
でも、これをどうやって持って帰ろう。
叩き起こす。
また口聞いてくれなくなっちゃう。
自力で運ぶ。
野球選手を運ぶことなんか、女には不可能。
誰かに頼む。
そもそも頼める人がいない。
もう、無理やり自分で歩かせればいいか。
そんなことを考えていた時だった。
慎吾「・・・あーあ。誠司さん、寝とるやん(笑)。」
A「慎吾くん、」
慎吾「なんか、さっきからすごい静かやったけど、なんかあったんすか?」
A「あー、それはね、、、」
本人に言うのは少し気が失せたが、
聞かれたからには答えるしかなかった。
慎吾「えっ、俺のせいやったん!?」
A「そりゃあ、驚くよね(笑)。」
慎吾「誠司さんが嫉妬なんか、、、」
やっぱり普段はそんな素振りを見せていないのか、
慎吾くんもかなり驚いてた。
けど、私が今1番困っているのはそこじゃない。
A「でね、誠司がこれやから、どうやって持って帰ろうか考えてんねん。」
慎吾「持って帰る?」
A「誠司ん家にね。ほんま、どないしよ、、、」
慎吾「・・・なら、俺が手伝いますよ。」
A「えっ?」
慎吾くんが、誠司を運ぶのを手伝ってくれるという。
ただ、そこで心配なのは、誠司の機嫌がどうなるか。
また口聞いてくれないのは、嫌だな、、、
でも、私1人じゃ無理だし、、、
そこはもう割り切っていこう、と私は決めて、慎吾くんにお願いする事にした。
A「・・・じゃあ、お願いしてもええですか?」
慎吾「もちろん!男は力仕事が基本ですから。(にこ)」
A「、、ありがとう。」
心臓が
ドキン、
と動いた。
彼の笑みを、昔どこかで、、、
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にゃあ - 面白かったです! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2019年9月8日 17時