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誠司『・・・ん。(チャリ)」
A『なん?』
誠司『俺んちのやつ。・・・居らん時が、多いやろうけど、、』
ちょっと照れくさそうにくれた、誠司の合い鍵。
都会の家へと帰った私は、さっそく“背番号22”のストラップをつけた。
A「・・・ふっ、、」
やばい。
1人しか居ないから良いものの、ただの鍵で思わずにやけてしまう。
大切に、大切に、その鍵を持って向かうのは、私の2つ目の家。
誠司『暇?家には居らへんけど、やってほしいことがある。』
なんてメールが来てた。
仕方なく、というのは嘘だけど、
今日は丁度休みで、暇してたから行くことにした。
デーゲームで早めに帰ってくることは、もうインターネットで調べ済み。
会えるかな、って淡い期待を抱いてドアを開けた。
「・・・ガチャ、」
A「・・・お、おじゃましまーす、、」
なんとなく挨拶してみた。
案の定、誰も居ないから言葉が返ってくることもない。
とりあえずリビングに向かうと、見覚えのあるソファが置いてあった。
A「ソファ、、、あっ、これ、」
小学生の頃、私は1人暮らしに憧れがあった。
誠司と家で遊んでる時にたまたま見たチラシに載ってたのが、このソファだった。
A『ねぇっ、見て誠司!』
誠司『なんや、急に、、』
A『これ!このソファ!』
誠司『、、それが、どないしたん?』
A『私、こういうソファがええな。お金貯めて、奮発して買って、めっちゃ大事にする。』
誠司『・・・』
A『大人になったら、ぜーったい買うから!』
誠司『・・・プッ、、なして今そんな宣言するんや、(笑)』
誠司、私のこと笑ってたのに。
この時のこと、覚えてくれてたのかな。
私が、あのソファ使ってるかな、って思ってたのかな。
なんか、嬉しかった。
すると、
「ピコン、」
誠司『お前が大好きなソファ座りながら、俺の試合でも見て待っとれよ。』
確信犯だ。
私を試してるみたいな口調で、ちょっと面白かった。
覚えてなかったら、きっとシバかれてただろうな、なんて考えたらなおさら(笑)。
A「・・・素直に試合、見ますか。」
誠司の言うとおり、私はソファに座って、テレビの電源をつけた。
画面、でかい。
なんて思いながら。
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にゃあ - 面白かったです! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2019年9月8日 17時