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誠司「・・・Aっ、、久しぶり。」
A「ひ、久しぶり、やね、、誠司。」
どうしよう。
あんなに、会いたかった誠司が今、目と鼻の先に立ってるのに、
何か言おうと思っても、口が開かない。
得意だった、作り笑顔さえできない。
自分が、おかしかった。
誠司「・・・」
A「・・・」
漂う沈黙の間にも、
雪は静かに降り続ける。
ふと、誠司の鼻に雪が付いた。
お節介な性格はあの頃と変わらない私。
ただ、変わったのは、
昔だったら自分で雪を払いに行ったのに、
今は、それがなんか気恥ずかしくて、言ってあげることしかできなくなったところ。
A「・・・誠司、鼻に雪ついとる。」
誠司「それ言うお前も、鼻に雪ついとるけどな。」
A「えっ?」
急いで確認するために鼻を触ると、ツンと冷たかった。
A「ほんまや、」
誠司「フッ、、自分で言うといて、自分にもついとるとか、ダサいわ(笑)。」
A「だ、ダサくて何が悪いんっ?あ、誠司のその帽子、タグ見えとるけど。」
誠司「えっ、、あ、ほんまや。」
A「ふふっ、、誠司もダサいわ(笑)。」
誠司「ダサくて悪かったな(笑)。」
久しぶりのこの感じ。
誰と喋ってても、こんな楽しいことはなかったし、
こんなに笑えたこともなかった。
ダメだ。
この雰囲気に、やっぱり安心しちゃう。
誠司「・・・あ、そういえば、、」
A「なん?」
分厚いコートのポケットを、ゴソゴソしながら何かを探し出す。
気になって、少しずつ誠司に近づいていく。
私が来たときよりもちょっと、雪が強くなっていた。
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にゃあ - 面白かったです! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2019年9月8日 17時