25 ページ26
・
・
・
家に入ってからも、頭にはあいつのことばかりが浮かんでくる。
来れない、って言ってたのに。
誠司は、ここにいた。
居たのに、目が合ったのに、何も言わずに居なくなった。
なぜか、心苦しい。
自分の気持ちに
気がついていいのか、
悪いのか、
判断をつけることなんて、出来なかった。
A「・・・会いに来たんやなかったの、?」
ならあいつは、何をしに帰ってきたんやろう。
母に、用事があったとか?
でも、それなら私に言ってくれたってよかったはず。
それに、母も私に言ってくれてたはず。
じゃあ、実家に帰ってきたついでに寄ったとか?
でも、行くときみたいな大きな荷物は持ってなかったし。
しかも、今日しかあいつのこと見てないし。
考えては自分で理由をつけて否定する。
私も、一体何をしたいんだろう。
A「私は、、何をあいつに、期待しとったんや、、?」
私に、会いに来てくれたのかと思った。
何も手に取らずに、ただ会いに来てくれたのかと思った。
用事なんかないのに、会いに来てくれたのかと思った。
そっか。
私、やっぱり誠司に期待してたんだ。
誠司が、私のためだけに会いに来てくれた、ってことに。
誠司に期待するのは、
寂しく思うのは、
会いたくなるのは、
考えるだけで胸が高鳴るのは、
誠司が
好き
ってことなんだ。
・
・
・
152人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃあ - 面白かったです! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Tsumu | 作成日時:2019年9月8日 17時