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誠司「・・・A、、」
A「・・・ちょっとだけ、話さへん?」
誠司「・・・おう。」
このチャンスを、逃しちゃいけない。
私の中の細胞達が、そう騒いでいた。
私もなぜか、そんな気がした。
最後、な気がした。
気のせいだと願いながら、歩いた。
A「・・・ありがとう。」
誠司「・・・は?」
急に何を言い出すんだ、と言わんばかりの視線を私に向けた。
そうだよね。
急にありがとう、って言われたらそうなるよね。
まだ、続きがあるから。
A「私、受かったんや、志望校に。・・・頑張れたんは、誠司のおかげやから。」
誠司「・・・俺、?」
A「うん。誠司が応援してくれて、背中押してくれて、、、それが嬉しかってん。」
嬉しかった。
お前なら大丈夫
いつでもそんなことを言われてるような気がして。
頑張ってこれた。
これからも、きっと頑張れる。
A「・・・やから、、、ありがとう、誠司。(にこ)」
誠司「・・・っ、」
一瞬だけ誠司の顔が歪んだのを、私は見逃さなかった。
でも、何も聞かなかった。
聞けなかった。
誠司「・・・(ボソッ)そんなん言われたら、行きたなくなるやん、、」
A「え、?」
誠司「・・・俺やって、お前のおかげやで。」
A「・・・」
まっすぐな目。
何も言えなかった。
誠司「あの高校も、プロ入り目指すのも、正直迷っとった。・・・けど、、」
A「・・・」
誠司「背中押してくれたんも、勇気くれたんも、お前や。」
A「・・・わた、し、、?」
誠司「・・・ありがとう。ほんまに、ありがとう。」
言い足りない。
そんな気持ちが読み取れた。
すごく、気持ちがこもってた。
ありがとう、の一言だけに。
誠司「・・・やから俺、頑張ることにした。」
この一言で、なんとなく分かった。
やっぱり、雪の日は何か起こるんだね。
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にゃあ - 面白かったです! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2019年9月8日 17時