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誠司「・・・涙、止まったやろ?」
A「・・・」
満足そうな顔をする誠司と反対に、ポカンとしてしまう私。
いや、、いやいやいやいやっ、、何も、してない。
ただ、近くに顔が来ただけ。 そう、見えただけ。
その驚きと恥ずかしさと動揺で、私の涙は完全に止まっていた。
誠司「あいつと、ちゃんと話、つけてくるから。」
A「・・・」
誠司「・・・それなら、俺も、お前も、寂しくなくなるやろ。」
A「・・・せ、いじ、っ、、」
誠司「大学受験が終わるまでに、何をしてでも話つけたる。やから、、、」
誠司は、一呼吸置いた。 私は、息を呑んだ。
誠司「・・・やから、、待っとれ、A。(にこ)」
A「(ドキッ)っ、・・・うんっ、」
きっと、いつも通りの幼なじみに戻れる。 だから、待っとれ。
そんな意味なんだと、私は思った。
ドキッ、とした。
待っとれ、って一言だけど、その一言が幸せで嬉しくて、また涙が出そうになった。
誠司「・・・じゃあ、送るわ。」
A「・・・ありがと。」
暗くなった公園は、少し肌寒かった。
胸に手を当てると、カイロのように熱かった。
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きっとあいつは、鈍感だから、
まだ、本当の “待っとれ” の意味に気づいてない
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にゃあ - 面白かったです! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tsumu | 作成日時:2019年9月8日 17時