Walking with you 3 (ページ35)

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体力使うことはそんなにしてないのに、酷く疲れ、だるい僕の身体。

エレベーターに入るなり、端っこのポジションに身を収め、寄りかかるようにして立つ。

ボタン側に立つ、好感度高めな男性がみんなの行き先を聞き、押してくれる。

素敵な人だなと噛み締めながら、エレベーター独特の嫌な感覚に耐えていると、なんの前触れもなく急停止する。

エレベーター内の明かりは消え、中にいる人たちがざわつき始める。

その中のひとり、あの好感度高めな男性が、非常時ボタンを押し、関係者の人に助けを求める。

｢都内で震度3の揺れを観測しまして、緊急停止機能が自動で作動したようです。当社は東芝のエレベーターを採用してまして、そちらの会社の方が来ないと復旧は難しいです。他の多くの場所でも東芝のエレベーターが使われているので出られるまでにお時間がかかってしまいます。申し訳ございません。｣

スピーカーから流れる女の人の緊張感のある声。

いつ復旧するか分からないと聞くと、いっきに不安になり、足の力が抜ける。

スーッと壁伝いにその場へしゃがみこみ、膝に頭を埋める。

冷や汗や動悸……低血糖の症状が徐々に出始め、あまりの気分の悪さに、床に横たわる。

知らない人たちがいる中で体調が急激に悪化し、助けも呼べない状況下で、僕の最期はエレベーターかよと諦めの感情が沸いてくる。