Walking with you 3 (ページ28)

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新しい心臓ページ28

【キミがいた3週間】

ｰ移植手術編ｰ

｢うぅ、、っ、、｣

家庭教師期間を終えたニノ。

緊張が解けたのか、ここ1週間、8度台の熱で魘され続けていて、一昨日、9度後半まで上がったのを機に呼吸機能が大幅に低下しちゃって酸素吸入を続けている。

持病が持病だからむやみに薬剤を投与できなくて、ずっとこの調子なんだよね。

お見舞いに行っても、唸り声しか発せられないニノだから、今までとはちょっと違って俺も不安。

｢ニノ〜｣

バイトが終わり、いつものように病室へ顔を出すと、その中には既に人がおり、ニノを囲って忙しく動いている。

たまにチラッと見える彼は、数人の看護師に押さえつけられ、赤い顔をしてじたばたしていた。

その表情はあまりにも辛そうで、ショッキングで、俺の脳裏に強くその情景が焼き付いた。

｢翔〜？どーしたの？入らないの？｣

そんな所に妹が現れる。

こいつが見たらもっとショックを受けるに違いないから。そう思い、手を引き、ベンチに座る。

｢なによ？なにがあったのよ？｣

｢ニノ、結構辛そうで、中で処置受けてるから、、外で待ってよ。｣

なるべく冷静に伝え、不安を煽らないようにしていたんだけど、

廊下の向こう側から走って寄ってくるニノの家族を見た瞬間、俺も未華子も計り知れない不安を抱いた。