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「夕ちゃん、帰ろ〜?」

肩がビクッと跳び跳ねた。

普通に出来ない。

「えっと…、結…」

今日は帰れないと断るつもりだった。

だが、結は夕希がそう考えるだろうと分かっていたかのように、ニッコリと笑った。

「一緒に帰ろ?」

「…うん」

夕希は頷いた。

結は避けないで、と言った。

私がやろうとしたことは、避けることと同じことなのではないか。

それに、結を傷つけたくない。

「待って」

結と夕希が教室を出ようとしたとき、鈴木は呼び止めた。

結が振り返る。

「何…?鈴木くん」

「伊藤さんには用はない」

鈴木は夕希の顔をみる。

そして、両端の口角を上げ笑う。

「今日、一緒に帰らない?佐藤さんが良ければだけど」

いつもは声が大きく、少しうるさくて、明るくて元気な鈴木くん。

だけど、今の鈴木くんは優しく寄り添うようなしゃべり方をしている。

夕希は胸の奥がじんわりと温かくなった。

「夕ちゃん…、行こ?」

結がキュッと夕希の手を握る。

夕希は結の手に自分の手を重ねて、ゆっくりと手を外した。

「夕ちゃん…?」

結は驚いたようだ。

夕希がそんなことをするなんて思ってなかったんだろう。

夕希は少しうつむきながら、口を開く。

ごめん…、結。

今日は鈴木くんと帰りたい。

「鈴木くんと帰るね…。結は明日、帰ろ?」

「……」

返事が返ってこないので、夕希は顔を上げた。

結の顔は歪んでいた。

今にも泣きそうな…、そんな顔。

夕希はズキッと胸が痛んだ。

「…行こう、佐藤さん」

鈴木は夕希の手を握って、結の横を通りすぎた。

私は結の顔を見ながら、ボソッと呟いた。

「…ごめん」

「……」

結は何も言わなかった。

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みあゆい - 私、小説家になるのが夢で…。もしかしたら、この小説を小説家になるためにつかったりするかもしれません。すみませんが、この小説は途中で終わらせてもらいます。すみません…。 (2020年4月19日 1時) (レス) id: d8054442c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みあゆい | 作成日時:2019年12月4日 16時

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